第60話
「まだ間に合う。まだ間に合う。全然勉強してないけれど。まだ間に合う」
書統高校まで急いで走る。
林道の登り坂を上がっている途中で、たくさんの影が現れた。
うぎっ! いつの間にか囲まれている!
俺の影が呼んだ刺客か?!
それとも、内・通・者?
「うん? どうした?」
後ろから突然声を掛けられた。
それも知っている声だ。
「公平!! 今は緊急なんだ! 手を貸してくれ!!」
不良の公平はとても強い。
我流の使い手だ。
急に水滴が空から降ってきた。
雨だ。
「オウ! そういうことなら、……本気で久々の喧嘩をしてやるゼ!」
ツッパリカットの似合う公平はゴキゴキと首を鳴らし始めた。
影たちが少し後ずさった。
よし! これなら……!
あの恐ろしい先生を怖がらないのは、クラスで公平だけだった。
「ウラ―! 緊急事態なんだーー! 試験に間に合わなかったら大変なんだーーー!!」
俺は本気で闘う。
「う! 相変わらずに強いな……。お前……」
公平は得意の右ストレートを使った。
数分後にあれほどいた影があっという間に昏倒していた。
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