第54話

「これから学校かい?」

「ほい! おにいちゃん。とにかく急ごう! 学校遅刻しちゃう!」

「……」


 かくして、書統学校まで俺たちは走った。

 朝日に照らされた校門まで林道の登り坂を走っていると、公平が俺たちと同じく校門目指して突っ走っていた。うぎっ! 公平の奴! 不良に戻ってる!


 昔風のツッパリカットの公平は唾を吐きながら走っていた。

 

 うん!

 あ、あそこに見えるのは!!


 真っ白な陶器のような。それでいて真珠のような透き通る肌の持ち主……そして、黒の長髪のおしとやかな恵さんだ!!


 ラッキー!!


「ほにいちゃん? ここって、影の世界じゃないよね」

「今頃、気が付いたか我が妹よ……」


 

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