第47話
真っ暗で広大な芝生を通り抜けると、近所の黒い家に向かった。
所々から満開な桜が顔を出している道路を歩いていると、妹の光が不安をポツリと零した。
「ほにいちゃん……。影はなんで王国なんて作ったんだろう?」
「あん? そりゃ、俺になりたかったからだろ」
「ぶー、違うよ。おにいちゃん……それならわざわざ……王国まで作らなくてもいいじゃない」
「うん?」
確かに我が妹の言う通りだった。
うーん……あ!
影は……ひょっとして、影の王国のお・う・さ・ま……。
になりたかったんじゃ?
うぎっ!
そういえば、俺は普通の学生……いや、ちょい変わった学生だが平凡で普通だ。だからか、影は平凡な学生じゃないことを考えているんだ。
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