第45話 影の王国へ行こう

 ――――

 

 フカフカ、チュンチュン

 フカフカ、チュン


「おにいちゃーーん!」

「影洋くん! 起きてーーー!!」

「うがっ! むにゃーーー!!」


 ステンドグラスの窓からの雀のさえずりとともに……。

 特大の枕が二つ飛んできた。

 見事に俺の顔面にジャストミート!

 

 俺は顔を抑えて飛び起きた。


 ふぅ……。

 いつもは俺は早起きしてたんだがな?

 

 これも影の世界が逆になっているからか?


 光と杉崎と階下へ降りると、公平とおじいちゃんとおばあちゃんはすでに豪奢な細長いテーブルに座っていた。

 今朝の朝食は珍しく日本の海鮮料理だった。おじさんはいつものクリュグをぐびぐびと飲んでいる。


 海鮮焼きに、伊勢海老にアワビ、イクラに、タラバガニ、アクアパッツァなどだ。


 俺は食事中、みんなの(おじさんとかは抜いて)背後の下を見た。影は全員、強者だった。やった! これで仲間というのができたのかも知れない。


 恵さんは剣道家。

 公平は空手家。

 そして、杉崎はレスラー。


 多分……。

 俺の感がそう言っているんだ。

 正しい!


「よし! これで影の王国へ行けるぜ!」

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