第18話
フカフカ、フカフカ……。
チュン、チュン……。
「おにいちゃーん! 夜だよーー!! 学校行こう!!」
「ふがっ!」
俺は表の世界とは逆に妹に起こされていた。
枕の角で……。
投げたのは言うまでもない妹だ。
夜風が涼しいなあ……。
それにしても、また昨日の夕食も豪勢だったな。
豪華な花が壁に活けられた長方形のテーブルに公平も加わり、恵さんと恵さんのおじさんと食べた。今回の夕食はもっともヨーロッパでは米を消費するといわれているポルトガル料理だった。ガルシア・デ・レセンデ、ソラマメのソリューソ添えにパカリャウをたくさん食べてタコやイカも楽しめた。恵さんのおじさんはまたクリュグをがぶがぶ飲んでいた。
この屋敷では栄養失調はないな。うん。
自室から一階に降りようとすると、踊り場に恵さんがいた。
寝ぼけ眼で気怠げに階段を降りようとしている。
そこで、恵さんにおじいちゃんとおばあちゃんのことを聞いた。
昨日は公平の奴が大変だったので、聞きそびれていたんだ。
「なあ、恵さん。俺のおじいちゃんとおばあちゃんって? 一体どうなったんだ?」
「ふあ? それ、私に聞く~? 影洋くんのおじいちゃんとおばあちゃんって、影斬りの刃っていうナイフを探しに心影山に行ったんだって。この前。影洋くんが言っていたじゃん。そんで、その山で落盤事故が起きたって……」
「うぎっ?!」
「もーうっ。影洋くん! 記憶喪失~? あんた今週はその山に旅に行くんだって言ってなかった?」
「……」
影の世界の俺って一体?
心影山ってどこ?
おじいちゃんとおばあちゃん……。
心配だけど……。
二人とも武術の達人だし……。
その前に今日中に近所を調べないと!
もし、俺の仮説が正しいのなら何か法則性があるはずだ!
心影山には準備をしてからだ!
明日、朝一で行ってみよう!
それに今日は何曜日だ?
表の世界では確か金曜日だったはずだ。
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