希望がなくなってもこの世界で。
@araigumayuuki
第1話
「
俺は言われた時ああやっぱりそうなのかと納得してしまった。俺は将来の夢も無ければ将来なにをしているかさえ全く想像がついていなかったからだ。隣で聞いていた両親はなにかの間違えだと医者に怒鳴りつけている。医者から将希くんの病気は世界でも症例の少ないもので治す薬も方法もわかってないものだと説明をされても
「そんな説明どうだっていい。なんとかして治せよ。医者だろ。」
取り乱して怒鳴りつけている両親の横を落ち着かせるのは苦労した。号泣する母親、怒鳴りつける父親、落ち着いて話を聞いていた俺、誰が余命宣告されたのかもわからなくなってしまった状況で一通り話を聞いたあと両親をつれて部屋をでた。部屋の外でも変わらない様子の両親をみてはやく帰ってゆっくり休んでと一言伝えてからもう1日入院する予定だった部屋に戻ってきた。あんな両親をみていられなかったのもあるが1人になりたかった。俺は病気で余命1年。だからといって泣くわけでも取り乱すわけでもない俺はおかしいのだろうか。1人になったことでじぶんのことばかりを考えてしまう。1年あったらなにができるだろう。特にやりたいこともない俺はそれを考えてるだけで1年が過ぎそうだと思うと笑ってしまう。そんなことを考えながら1日過ごした。
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