小さな勇気とラッキースター 【ちかまんゆうき。初の旅ものに挑戦】

大創 淳

Special days 01 書き始めはね。


 一人称は『僕』だけど、ちゃんと女の子。それが僕。鏡に映した僕だ。



 掘り下げるなら、ボブという髪型。私服なら小学生に見える、やや幼い体型。でもでも十三歳。列記とした中学生なの。男の子にはない丸みだって帯びている。


 あくまで、よく見たらだけど。


 僕の名前は『千佳ちか



 とあるステンドグラスの聖なる地。今そこにいる。当面の旅路の仕度をも済ませ、振り返らない昨日とお家。今はまだ『星野ほしの』という名字。でも、もう……サヨナラなの。


 Xマスに、僕はまたこの地を訪れる。

 イブが終わるまでの、ちょっと背伸びした旅路だ。


 僕にはお友達がいる。男の子と言うより男性と言う方がピッタリな表現。僕よりもずっと大人なお友達だ。Xマスになると、そのお友達はパパになる。僕のパパになるの。


 今はまだ、その人のことを『トナカイさん』とする。


 僕はサンタさんにもなれず『千佳』のまま。第一、サンタさんはお爺ちゃん。僕は女の子だから。それも少女だから。でも、ここで女性になりたい。女に……



 この意味わかるよね?


 それがイブの夜、僕が大人になるチャンス。


 そして人生で初めての、小説サイトへの投稿となる。


 十三歳と二十九歳の、その期間だけの恋の旅路。そこから始まるニューライフを円満に過ごすために、僕は意を決した。ちゃんとした親子関係に戻るためにも。


 儚い恋の旅路……


 聖しこの夜、ステンドガラスが煌めく聖なる地がゴールとなる。そして来られた。


「待ったかい?」との言葉と共に、トナカイさんが……



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