32:侵攻準備
今話が今年最後の投稿となります。
12月から急遽始めたこの長編も、ついに5万文字を達成しました。
それも皆様の応援あってのこと。心より嬉しく思います。
これからも読んでくださると嬉しいです!
どうか来年もよろしくお願いします!
(↓元日朝7時からの新作です!ぜひ読んでください!)
https://kakuyomu.jp/works/16817330668066613679
◇
図書館での用事も済んだということで中庭へ戻ってきた。そこには一人、アリアが待っていた。
「陛下、お待ちしておりました。早速兵力の増強……いえ、創造に入りましょう」
「そうだ、みんなはどこへ?」
「我々の留守中に何者かが侵入し、その者らによって襲撃にあった際に備えての防衛設備などを整えていらっしゃいますよ。モミジさんも詳しいですからね」
「なるほどな。じゃあ始めるとしよう。創造:〈
軽い気持ちでそう呟けば、広大な中庭が埋め尽くされるほど――およそ五千
「うおぉ……圧巻の景色だな」
「ですね……。陛下以外は出来ない芸当でしょう」
「まだまだ行くぞ。創造:〈
次に現れたのは、いかにも魔女のような服装の骸骨たち。手には長い杖を持っていて、大きな帽子も被っている。いかにも怪しげだ。
「陛下……これを続けていては中庭が埋まってしまうのでは?」
「確かに。使えるといいけど……
ポケットなんて名前がついているからには入る量もポケットサイズなのだろうか、と思いきや。何色とも形容し難い霧がどこからか現れると兵士達を飲み込んですぐに消え去った。
これなら問題ないだろう。恐らくいくらでも入る。そう思って思いつく限りを創造していたら……
「へ、陛下!? もう十万は超しましたよっ!?」
「あれ? そうだったのか。夢中になってて気づかなかった」
「もう……私の持つ魔眼の如き目がなければ止まらなかったかもしれないですよ~?」
「図に乗るなっての。まぁ、このまま夜が明けてたら大変だったしな。ありがとな」
「どういたしましてです」
俺が創造した軍の編成は、一般的な軍隊の部隊に加え魔術を用いる部隊もいくつか含めている。どんな状況が起きようとも臨機応変に対応出来るだろう。例えドラゴンが現れようとボコボコにできそうだ。
「アリア。俺も少し準備がある。すぐ戻るから少し待っていてくれないか?」
「了解です。いってrっしゃいませ」
「申し訳ないな。
俺は今からとあることをせねばならない。
まずは城の執務室からだ。
「創造:〈
たったこれだけだ。しかし重要。それはこの
もし、この島全体に転移を無効化する結界が貼られたらどうなるだろうか。そんなことができる以上、その敵がとても強いのは確定。そのために
こいつは「身代わりの術」と言えばかなり説明がしやすいだろう。転移ではなく入れ替わり。魔力はそこに発生しないのだ。しかも誰と入れ替えるかを指定できるため、いざというときの避難経路にもなる。
「創造:〈
そんなこんなで城の至るところに設置し終わった。
「
最後にアリアの元へ帰って作業は終了だ。
「アリア。ツァトリーたちの場所へ案内してくれ。呼び出すのは少し心苦しい」
「承知しました。では案内します」
そろそろ彼女らの準備も終わる頃だろう。やるべきことが終わったのならば出発は早いほうが良いからな。
「そういえばアリア。城の防衛設備って具体的にどんなものなんだ?」
「その件ですか。えっと、誰かが踏んだら爆発して信号を飛ばすものだとか、自動で迎撃する機械とか、葬儀場と呼ばれる殺戮トラップへ転移させる罠だとか……そんな感じですね」
「なんだそれ、殺意高すぎるだろ……まぁいいのか。それくらいするべきなのは当然か」
「そうですね。……あ、ここですね」
「これ……武器庫か」
「はい。ここにいると聞いています」
俺は好奇心の赴くままに扉を開ける。
「あ、ネビュトス。来たんだね」
「ああ。今大丈夫か?」
「うん。ついさっき終わったよ。それでどうしたの?」
「国名決めたからそれのお披露目さ。ちょっとばかし格好つけてね」
真剣な雰囲気をまとい、今は異空間にいる兵士達と、今目の前にいる配下たちに向けて宣言する。
「我が配下諸君に告ぐ! 我らオシアス皇国は、明朝より人類国家諸国征服作戦を開始する! 我の手足となり、死力を尽くしたまえ!」
――ウォォォォォォ……!!!
地獄の底から聞こえてきそうな低い咆哮がどこからか響き渡る。
――おー!
いたいけな少女たちの熱意のこもった声が目の前から聞こえてくる。
「よろしい。明朝までに全て終わらせて出立するぞ」
さぁ、異世界征服の始まりだ。
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