幼馴染みに誕生日に欲しいものを訊かれ「彼女」と答えた結果

冬城夏音

第1話 誕生日プレゼントには彼女を所望します。

 三月一日俺は18歳になった。

 

 彼女いない歴=年齢もついに18まで記録を伸ばした。

 

 下校中のことだった。

 

 片想いの相手兼幼馴染みの優月に言われた。

 

 『誕生日だから何か欲しい物あげるよ』

 

 俺はふざけて笑いながら答えた。

 

 「彼女かな。なんつって」

 

 そう言い優月の方を見ると何も喋らずに自分の足元を見つめていた。

 

 俺が優月の行動を不思議に思っていると優月は顔を上げて恥ずかしそうに言った。

 

 『それなら私とかどうかな?……』

 

 俺の思考は完全に停止した。

 

 「……………」

 

 『……………』

 

 「え?今なんて?」

 

 『だからそれなら私とかどうかなって……』

 

 『だめ?』

 

 「こっちからお願いしたいくらいだよ!」

 

 『ほんとに!?』


 『それじゃあよろしくね!』

 

  俺は初めての彼女を思わぬ形で手に入れた。

 

 

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