第168話 竹取物語
「あたしの大事な、いろはちゃんたちが買ってくれた復刻本にも挿絵があります」
そう言って、なぜかうずめ様、いや、今は梅さんがちょっと赤くなりました。
「そういえばうずめ様、じゃなくて、梅さんがそんなに大事にしていた本って、どんな本なんですか?」
「えっと、いわゆる二次創作って本なんですけど」
「二次創作?」
「ええ、原作があって、それを元にしたお話を考えて書いた本です」
「へえ、そんなのがあるんですか」
「そうなんです」
太郎がいるこの時代、著作権だのなんだのはまだ存在しなかったので、かなりみなさん自由に創作をなさっていたと思いねえ。
「それで、原作はなんだったんです?」
「竹取物語です」
「いわゆるかぐや姫ですか?」
「そうです」
「竹取物語」とは、説明するまでもないでしょうが「日本最古の物語」とも言われている超有名な物語で、そのタイトルでピンとこないという方でも「かぐや姫」と言われたら「ああ」と納得されるでしょう、あのお話です。
竹取物語の本来のお話は、竹を切ったら中から輝くほど美しい女の赤ちゃんが出てきて、成長したらあっちこっちの若者が求婚してきて、その中でも断りきれないセレブに「これ持ってきてくれたら結婚します」と難題を出し、誰も叶えられなくてしょんぼりした、というものです。
その後、その話を聞いた帝が今度は「じゃあ私が」と求婚してきたもので、こればっかりは断りきれない、どうしようとなった時、「実は私は月の人間です」とかぐや姫がびっくりするようなことを言い出して、お迎えと一緒に月に戻ってしまい、やはりしょんぼりした帝が富士山の上から「月に届け」と歌を焼いて煙を見送った、というところで終わってたはずです。多分。
そんな超有名なお話の二次創作って、どんなお話だったんでしょうね?
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