第3話 夫婦としての新しい生活

 リーズは朝の日差しで目が覚めると、目をしぱしぱさせてそして目をこする。


「う~ん……」


 そのまま目を半開きのままコクコクとまた眠りにつきそうになる。

 ベッドの上で座ったまま再びリーズは完全に眠りについてしまう。



「おわっ! リーズ?!」


 そしてあまりにも起きて来ないなと心配で二階を見に来た二コラに、座ったまま寝ているところを見られて驚かれる。


「ほえ?」


 リーズはものすごく寝相と寝起きが悪かった──





「いやあ~、さっきはびっくりしたよ。君が座って寝ているものだから」

「どうやら私は寝起きが悪い部類の人間のようでして……」

「ふふ、なんだか可愛いな」

「二コラ様はこんな醜態を見せる女を気味悪がるといいますか、その……嫌ではないのですか?」


 不安そうに朝食を食べていたフォークを置くと、俯きながら尋ねる。

 すると、二コラはテーブルに身を乗り出してリーズの頬に手を添えると、顎をくいとあげて目を合わせる。


「──っ!」


 綺麗な碧眼がリーズの青い目を捕らえた──



「私はそんな奥さんを可愛いと思うよ」

「二、二コラ様……」

「二コラ」

「え?」

「様はつけないで。夫婦になったんだから気軽に呼んでほしい」


 そう言われて余計に照れるリーズだが、唇をぎゅっとして少し間を置くと、彼の目をみてしっかりと言う。


「二コラ」

「──っ!」


 その照れた顔があまりにも可愛いので、二コラも伝染して少し顔を赤くする。

 しかし悟られまいとすぐさま腕で顔を隠しながら顔ごと逸らした。


「まあ、その……昨日はあんな風に言ったけど、まだ正式には届け出は出していない」

「そうなのですか?」

「ああ、君の心を無視して無理に結婚しても良くないからね。一旦お試し期間ということで二人だけの秘密だよ」

「秘密……」


 その響きがなんだかリーズには魅力的というか、いけないことをしている背徳感を感じてワクワクした。

 それと同時に二コラが自分を思って大切にしていることをひしひしと感じる。


「二コラ」

「なんだい」

「私もあなたと家族になれるようにがんばります!」

「ああ、これからよろしくね、リーズ」


 こうして夫婦としての日々が始まった──

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