第26話 ステージ4②
「
俺は
「ギギッ……!!」
(あくまでもステージ4に守ってもらうってスタンスか……。別にいいさ。そのまま殺ってやるっ!!)
やり方はいくらでもあったが、今は時間が惜しかった。俺は持っている鋏を投擲する。
「ガ……」
投げた鋏は黒い霧の中央に刺さる。
「大当たりだっ!!
俺は手に2つの鋏を出現させ、
「よし、茜さんっ!!」
俺は大きな声で茜さんを呼ぶ。
「
茜さんがステージ4の
「「!!」」
茜さんの剣はステージ4の
「これは……粘液?」
「みたい……ですね……」
俺達は
「こっちには意にも介さないってことね」
「まあ、あっちからしたらこっちはアリみたいなものですからね。はっ!!」
俺は試しに鋏を投擲してみる。先程と同様に滑って刺さりもしない。
「じゃあ、これはどうかなっ……!!」
火村さんは拳銃を出し、銃弾を放ち攻撃をしてみる。しかし、結果は同じだった。
「これもダメか……」
「
「やってみよう」
火村さんは持っていた拳銃から
「お……!!」
「滑って弾かれるってことはないですけど……まとってる粘液が想像以上に厚いですね」
「うん。じゃあ、これもいけるかな?」
火村さんは腕を大きく振り、炎を出現させる。炎は粘液を溶かしていく。
「これは有効みたい」
「ええ。いけますね」
その時だった。ステージ4から長い触手のようなものが伸びてくる。
「茜さんっ!!」
「っとぉ……」
茜さんは紙一重で躱すが、すぐに次の触手が迫ってくる。
「やばっ……」
俺達は一目散に逃げる。
「速い……!!」
しかし、触手の伸びてくるスピードはそれ以上だった。俺の周りを囲っている防御に触手が触れる。
「なっ……」
触手が触れた箇所から壁が崩壊していく。
「銀崎さんっ!!」
少し離れた雪城さんがいくつも
「助かるっ……」
「ナイスっ!!」
俺と火村さんは壁をうまく利用し撤退をする。
「ふぃーーーー……」
触手の攻撃範囲は約10mほどだった。俺達は一息つく。
「いやーー……困ったね……ホント……」
「近づいたら触手で応戦して、攻撃には粘液で対応と隙が無いですね」
「だね……。これ以上は危険だ。獄羊タワーまで撤退しよう」
「「了解です」」
俺と雪城さんは返事をする。
「篁さんは?」
「あっちです」
雪城さんが指をさした方に篁さんはいた。どうやら動画をとっていたらしい。
「樹里ー、撤退するよ」
「はい」
こうしてステージ4との初接触は終わった。
「2人ともありがとう。いいデータが取れたよ」
俺達は獄羊タワーまで撤退をした。
「そんなことないです」
「……というか、どうします?」
「それはこれから考えるとしか言えないね……。少し離れていたところから見ていた樹里は何か発見はあった?」
「そうですね……。ステージ4の
「そうだったんだ……。逃げるのに夢中で気づかなかった。でも、それはいい発見だ」
「ええ、これで足止めはできそうですね」
「ほ、本当かはわかんないですよ……」
「いいって。動画もあるんでしょ?」
「……まあ……。短いですけど……」
「十分だと思います」
「わかったことは……
火村さんが通らないと言いきらなかったのはもっと
「あとは
「何とも言えないですね……」
「
雪城さんが俺達に問いかける。
「いや、見つけられなかったな……」
「離れたところからも発見できませんでした」
「となると……内側か……」
「ステージ4の
「ステージ3までの
「あの巨体からあんな小さなものを探すんですね……。あ……ステージ4の
空が明るくなってきた。雲が多くて太陽は見えないが、ステージ4の
「時間だね……」
「……ですね」
俺達はステージ4の
「……とりあえず、お疲れ様。2人は気を付けて帰ってね」
「「お疲れ様です」」
俺達はそれぞれ帰路についた。俺達は車で双園基地に向かっていた。
「これから……どうなるんですか?」
「ステージ4の
「どのくらいの人数が集められるんですか?「色付き」を3人以上集めるとは聞きましたが……」
「そうそう。「色付き」を3人以上は確定だけど、その他のメンバーは10~20人ぐらいかな」
「……勝てるでしょうか?」
「…………勝てる。というか勝たないといけない」
このままだともっと大きな被害が出ることになる。
「…………はい」
俺は拳を強く握る。
(…………厳しい戦いになるだろうな……)
ステージ4の
(メインとなる作戦は
(「色付き」3人と……「色付き」に匹敵する雪城さんがキーパーソンになるだろうな)
雪城さんには「色付き」3人以上招集されると言ったが、集まるのは3人だけだろう。理由は最近「色付き」が2人行方不明になったからである。こちらに4人も人数を送れないのは間違いないだろう。
「……雨か……」
外を見ると雨が降り始めていた。
(妙な胸騒ぎがするな……。気のせいだといいけど……)
空は暗く、気持ちまでも沈んでしまう。
「ふぁ……」
緊張感が溶けたからか一気に眠気が襲ってきた。俺はゆっくりと瞼を閉じた。
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