化け猫メイドは今日も待つ

@setuya_mao

1.追われて



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寒い地帯の山奥にある大きな御屋敷

玄関先にはメイドが1人

ロングのメイド服、ボブカットの髪、赤い瞳、お団子頭。そしてきらりと光雪の結晶の髪飾り。御屋敷を眺め彼女は呟く


『お帰りなさいませ、主様…』


視線の先には誰もいない。彼女の瞳は少しだけ、潤んでいたような気がした。


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僕はマオ、妖怪だ。と言っても可愛い方だ。なんせ化け猫。人になれたり猫になれたり、鬼じゃないだけいいだろう、なんて思いたい。化け猫は今実験対象。数が少ないから。息を潜めて隠れて暮らす、安全ってなんだよ。マジで。人里からパクってきた?ジャージが泥にまみれてる。そりゃ逃げ隠れしてるし家無いし。僕がひっそりとご飯を食べている時にうるさい声が聞こえた、嫌な予感がする。


「ここだ!ここにあの化け猫がいるらしい!」


あーまじですか。ご飯を食わせろー!

慌てて頬にご飯を詰め、勢いで猫化し元々開けてた穴から抜け出す。そのままくだれるだけ山を降り、死角に進む。


『あ゙ッ!?』


やってしまった!後ろ足が木の枝を越えられなかった。バランスを崩してゴロゴロと落っこちていくマオ。目が回って伸びてしまった




[おやおや、子猫かい?起きれるかい]




人の声…。あっ、終わった。

僕はこのまま人に捕まり解剖とかされるのだろうか。猫が人になれるとバレたらおしまいではないか…。でも意識がふわついてろくに動けないんだ、大人しく運ばれておこう…



[君は妖かい?妖力を感じる。]



!?!?!?

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