転生したら高身長がついてきた

クララ

第1話 転生?

俺は松川湊。26歳社会人の一般人。2年間付き合っていた彼女にさっき別れてほしいといわれて絶賛世界に絶望中だ。これも全部160センチしかない低身長のせいだと思いたい。

はぁ、これからどうしよう。この気持ちを少しでも楽にするために歩いて帰ることにするか。今いるところが高円寺でここからうちのある三鷹までは中央線で5駅だから歩けるだろ。早速歩き始めた俺だったが歩き始めてすぐに後悔をすることになった。まったくどうして今日に限ってこんなに信号に引っかかるんだ。歩いて帰ることにしたけど無駄に時間を過ごすことは嫌いだ。8個目の信号に引っかかったところで我慢ができなくなった。あーー待つのがめんどくさい。もう信号を無視するか。俺が信号無視をして渡ろうとしたところに自動車が突っ込んできた。

ううーー、頭が痛い。なんなら頭だけじゃなくて全身が痛い。体全体を打ち付けたような痛みだ。ただずっと寝ているわけにもいかない。起き上がるとなぜかヨーロッパの神殿のように石でできた建物の中にいた。

え?まじでどこだよ。俺はこんなところに来た覚えはないんだが。自分の記憶に問いかけてみてもこんなところに来た記憶はなかった。

でも自分は死んだようだということはわかった。記憶によると俺は信号無視をして自動車にはねられたようだ。そこからの記憶はないけどこの見覚えのない場所に来ていることを考えると死んだというのが一番可能性がありそうだ。

これから俺はいわゆる神判にかかるのかもしれない。ただ何の説明もなしに床に置いておかれるなんて扱いがひどすぎる気がする。自分のせいで死んでるのだから文句は言えないんだけど。

その時にこの石造りの神殿に似合わない機械音が響いた。「そこにいる男性。次はあなたの順番です。準備してください。」なんだこれ。もしかしていたずらの類に巻き込まれているのか。そう思っているといきなり周りの景色が変わった。

今度の場所は天秤を持った大きな神の彫像がある部屋だった。そして今までと一番違うことは部屋の真ん中に美少女がいること。彼女からはなぜか威圧感を感じた。

「あなたが松川湊ですね。」「そうですけど。」「それなら今から神判を始めます。」ちょっと待ってくれ。展開が早すぎて頭が追い付いていない。神判を始める?もしかして彼女は神で俺は本当に死んでいるのか?ただ彼女は俺のことを気にしていない様子でそのまま神判を始めてしまった。

「あなたは自分自身のせいで死んでしまったことに間違いありませんね。」「そうですけど。」そんなことよりも俺は今の状況について説明してほしい。「それはあなたの過失です。ただあなたは生きている間に多くの徳を積んでいたようです。よってあなたには転生のチャンスを与えます。さらに生きている間の徳が多いあなたの願いをかなえましょう。」今願いをかなえるって言ったか?それなら願いたいことは決まっている。

「俺を高身長にしてくれ。」


あとがき


読んでいただいてありがとうございます。kurarasimonです。このたび「神をあなたは信じる?」に加えて「転生したら高身長がついてきた」を連載することにしました。もしかしたら投稿頻度が少なくなってしまうかもしれませんがよろしくお願いします。


何かご指摘がありましたらコメントで教えていただけると幸いです。

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