第609話 那古野城天守
※すみません、昨日投稿予定の話が投稿されていませんでした。
話を途中に挿入することができなさそうなので、編集という形にします。
コメントにずれが生じるかもしれませんがご了承ください(._.)
さてまずはお刺身である。前々から作っていたお醤油を添えて……さぁどうだ三ちゃん!?
「うむ、美味いな」
続いて揚げ物! 天ぷらも貴重なこの時代、カリッと揚げたマグロのフライは食の大革新でしょう! さぁどうだ三ちゃん!?
「うむ、美味いな」
そしてトドメは残ったお刺身をご飯に載せ、お茶を掛けたお茶漬けだ! さぁどうだ三ちゃん!?
「うむ、美味いな」
料理の作りがいのない男であった。
そうか、三ちゃんって舌がバカ(オブラートに包みきれなかった表現)だものね。まともな料理の感想を期待するのが間違っていたか……。敗北。
◇
「塩気が足りん」
口に岩塩でも突っ込んでやろうかしらん?
とまぁ、食生活については結婚後に話し合うとして。偉い人が那古野城に来るなら、まずは天守を完成させないとね。
そう、那古野城の天守はまだ完成していないのだ。資金と資材は提供したけど建築は三ちゃんたちに任せたからね。具体的に言うと骨組みが出来上がったくらい。まったくもーのんびりしているわねー。
『人力なのですから頑張っている方かと』
≪まったくこれだから魔力バカは≫
「もう少し人間に対する理解を深めましょう」
プリちゃん・玉龍・師匠による怒濤のツッコミであった。というか師匠、その口ぶりだと私が人外みたいに聞こえるんですけど?
『人外でしょう?』
≪人外じゃな≫
「人外だねぇ」
人工妖精、ドラゴン、神様(ポンコツ)から人外扱いされてしまった。解せぬ。私ほど普通で普遍的で不思議なところなど何もない美少女ピーポーはいないというのに。
『≪「どこが?」≫』
まったく同じタイミングで首をかしげられてしまった。解せぬ。
私の扱いについては今度会議を開くとして。まずは天守を完成させてしまいましょうか。
はい、ぱぁんと。
手のひらを打ち鳴らすと、那古野城天守は完成した。外見は古写真参考。瓦はもちろん銅瓦である。
『とうとうチート描写すら省略し始めた……』
結果は同じなんだから、過程なんてどうでもよくない?
『そういうところです』
こういうところらしい。解せぬ。
天守は完成したけど……う~ん、ここは三ちゃんの偉大さを身にしみさせるため、もうちょっとインパクトのあるものが欲しいところね。
『いやこの時代に五重の天守はインパクト抜群ですが?』
≪そもそもこの天守を見て称えられるのは信長ではなく帰蝶ではないか?≫
「加減を覚えないから夫の活躍シーンすら奪っちゃうんだよ?」
口々の大絶賛を聞き流しつつ、思考に没頭する。う~ん、水堀や櫓を増設する? でも周りまで完成させちゃうとせっかくの天守のインパクトが霞んでしまいそうね。
あとは出迎えたときに大砲とか鉄砲をぶっ放すとか?
『この時代に礼砲なんてものはないので、謀反にしか映りませんね』
いっそのこと本当に謀反を起こして守護に成り代わってしまえばいいのでは?
『危険思想ー』
それもそうよね。いきなり守護を
『それは『平和的』とは言いません』
出血を最小限に抑えて尾張を手に入れられるというのに。解せぬ。
ま、守護軟禁は最後の手段にするとして……。今はとりあえず三ちゃんを気に入ってもらえるように仕向けましょうか。
う~む、インパクト、インパクト……。那古野城にインパクト……。
……おっ、そうだ。名古屋城。
ここはいっそ天守にエレベーターを付けてしまえばいいのでは?
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