君と結ばれたい俺は今日も告白に付き合う〜大好きな幼馴染が俺を使って告白の練習をしてくるんだが〜

家猫のノラ

第1話

「…先輩、好きですっ!」


昨日の夜LINEで『明日、体育館裏に来てください。』と言われた。

体育館裏、夕日が空を染める。

俺の頬も赤く染まる。

俺告白されちゃったよ。


「付き合って…いやぁぁぁこんなこと言えないぃぃ、私ごときが先輩になんて無理ぃぃぃ!!!」

「はいカット」


俺は確かに告白されたが、その他のことは全部嘘だ。フリだ。

今日の朝LINEで『今日、よーちゃんの家で待っててください。』と言われた。

俺の部屋、蛍光灯が天井を染める。

俺の頬も赤く染まる。


最後は同じ。

俺の頬は赤く染まる。

だって好きな女子が俺に告白してるんだよ。


「でも先輩を誰かに取られたくないよぉぉ」


俺の好きな女の子は、先輩のことが好き。


「よーちゃん様、今の告白の改善点教えてください」

「分かったから、首をあげよ」


土下座をする彼女を見て苦笑する。


「本当、仕方ないなぁ。」


首を上げた彼女はキラキラした目で俺を見る。

上目遣いはマジでヤバいって。

だいたい中2男子の部屋にのこのこ入ってくんなよ、そろそろ俺食べるぞ?


「ごほん。ええっと、キラキラしてるとこ悪いけど酷評してくぞ?」


俺は今日も彼女の告白の練習相手になる。

本当、仕方ないことなんだ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る