恋に興味無くてもいいのではないでしょうか

雷空 瑠璃

第一章 始まりと出会い

第1話 始まりの出会い

「はぁ~」

青嵐せいらんがふく五月。私、水谷絆は朝から憂鬱ゆううつな気分だった。

「「「絆さ~ん!」」」

「またか…」

私は瞬間移動テレポートし、人気ひとけがない場所へと逃げ込んだ。

「朝から魔力使わせないでよ…」

ここ魔法学校ダイアモンドでは、三人で一部屋の寮生活なのだが、

朝ご飯を食べに行こうと廊下へ出たとたんこれだ。

初めて追いかけられたのは四月の初の登校日。それから毎日…

「あ、絆!」

「ああ、フウカか。驚かせないでよ。」

「また追いかけられてるの?」

「うん…もう勘弁して欲しい。」

彼女はルームメイトのバスケ部所属風山フウカ。

ポニーテールがチャームポイントの明るくていかにも陽キャタイプの女子。

「てかなんでここにいるの?」

「いや毎回ここにいるじゃん。」

「まあ…あ、桜。」

「ここにいた~。」

彼女も同じくルームメイトの美術部所属おさげ髪のおっとり系女子花咲桜。

二人はもう、この会話が日常茶飯事にちじょうさはんじに近いと思っている。

「朝ご飯早く食べに行こう。いつもの場所でいいよね。」

「うん。」

私たちはいつもの場所へと瞬間移動テレポートした。

   シュッ

「ああ、いらっしゃい。」

「「「おはようございます。」」」

「いつも大変お世話になっております。」

「いやいいのよ。人気者は辛いわね。」

「う~ん…人気者なんですか?私。でも私、恋愛に興味ないので。」

「あら、そうなの。はい。いつものサンドイッチ。」

「ありがとうございます。」

「さ、行こう。」

   どんっ

私はよそ見をしていたせいか、誰かとぶつかってしまった。

「「うわっ」」

「いてて…ごめんなさい。」

「いやこちらこそすみません。よいしょっと。おばさーん‼」

「あらひかるくんも来たのね。」

「光…?」

「ええ!?あの光!?」

「フウカうるさいよ…」

「あ…いやだってあの光だもん。」

「いや説明して。」

「ああ。うん。」

フウカによると、今ぶつかってしまった人は炎野光えんのひかると言って、

私と同じ(同じか?)人気者らしい。

「あ、まだいた。はい。せめてものお詫びに。」

「え?」

私は始め理解が出来なかった。何故なぜ、いやお詫びと言ってはいるが…

「あ…ありがとうございます。」

「いやいいよ。てか敬語は無しにしようよ。同じ一年でしょ?」

ーこれが、私と光の出会いだったー

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