第9話 一人だけウイルス感染

 朝の登校中の馬場ひろみと八神たけしと神崎あかり。こんなことを言っているのは八神たけし。

「どうやら、ゾンビウイルスに感染しているのは、ひろみだけらしいぞ?」

 その発言に納得できない馬場ひろみ。

 ゾンビウイルス? あたしだけが感染? 馬場ひろみは青黒く変色した皮膚を見る。ガジガジしたくなる空腹感。人の肉が食べたくなる馬場ひろみ。

「あたしは、ひろみがゾンビでも大好きなの♡」

 神崎あかりの一言に、馬場ひろみは複雑な感情になる。あたしだけウイルス感染していてゾンビになっているのにもかかわらずクラスメートの二人は優しい。確かにそれは嬉しいけれども! そう馬場ひろみは考える。

「あー、人の肉が食べたい。でも、ダメ」

「あたしの肉を食べて♡」

 ゾンビ馬場ひろみと神崎あかりの会話。

 八神たけしは嫉妬からかムスッとなる。

 いつもの三人である。

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