2つ下の後輩ちゃんと
最上輪廻
プロローグ
中学の頃仲のいい子がいた。それは後輩のしかも女子。
当時の俺は、クラスのみんなから嫌われていた存在で陰キャだった。しかしそんな俺にも女子とはいえ初めて仲のいい、俺の事を友達として好んでくれる子が初めて友達になった。
歳が2つ離れており俺が3年の頃彼女は1年生だった。
一緒にいられる時間は1年弱と少ないのに仲良なったのは秋頃の事だ。
仲良くなったきっかけは部活の全道大会のホテルでだ。
当時の俺は後輩がだいっっっっきらいだった。生意気でとにかくうざい、そう思ってたし実際そうだった。
部活中関係ないお喋りばっかで練習を真面目にする気がない。注意してもすぐさま元に戻る。
もちろん俺の学年の仲間も俺と同じ意見だったらしく教室では「新しく入ってきた1年注意してもうるせえの」とほぼ毎日のように愚痴っているのが聞こえた。
しかし俺はあの日を境に変わった。
一緒に夜更かしをしたあの日。俺は後輩と一緒にいることが楽しくて仕方がなかった。
この友達という名の関係はおじいちゃん、おばあちゃんになっても変わらないものだと思っていた。
俺が高校に入学した後、中学より忙しいと思い知らされ連絡する暇もなかった。さらにはケータイは壊れて新しいのに変えたのだが今のケータイに昔のケータイのデータを移行できなかった。つまりは連絡する手段が無かった。
気づいたら高校3年生になっていた。入学以降連絡ひとつもしていない。どこかですれ違ったりもしてない。彼女は今何を思っているのかわからない。ただ1つだけ交わした約束がある。 それは、
「先輩煌輝高校行くんですよね?だったら私も行きます!なので待っててください!高校入ったら忙しくなるかもですが私のことは忘れないでくださいね?私も忘れないので!」
部活帰りの暗い夜道で、まばらに光る家の光や街頭よりも、上を見上げればキラキラと輝いている星よりも、彼女はキラキラ輝いた目でそういった。それを聞いて俺は後輩の事を自分の娘のように感じた。
卒業して以降連絡はしていないが、どこかで会ってはいない、それでもその日の約束は一言一句、彼女の声が耳に聞こえてくるかのように覚えている。3年経った今でも忘れたりは1度もない。
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