柊のステータス
【LEVELUP.+5:LV48】
【筋肉強化率/23.21%上昇】【骨格強化率/13.64%上昇】
【神経強化率/27.75%上昇】【皮膚強化率/17.59%上昇】
【器官強化率/12.43%上昇】【脳髄強化率/3.65%上昇】
「レベルアップは、…5か、美味いな」
あの一週間でレベルがそれなりだった事を考えれば、この一瞬で大勢の戦い、これほどの経験値が入る事はとにかく美味しい事であった。
現在の肉体情報を確認する。
LV【48】
【肉体情報】
筋肉強化率/891.43%→914.64%
骨格強化率/801.93%→815.57%
神経強化率/844.78%→872.53%
皮膚強化率/789.12%→806.71%
器官強化率/631.92%→644.35%
脳髄強化率/301.70%→305.35%
【取得因子】
狼の因子/11.78%
蜘蛛の因子/20.11%
牛の因子/30.46%
筋肉が900%を超えた。あと少しで1000%を超える。
牛革の特殊性能で筋肉の増強率が更に倍増されているので、現時点での俺の身体能力は人間90人分の力を持つと言う事になる。
歯切れが悪いので、早々に1000%を超えて人間100人分の力を引き出したいと思っていた。
「…ん?」
柊がゾンビの上を裸足で歩いていた。
そして、そのゾンビが着ていたであろう衣服を引っ張り出して着ている。
先程までは、爆破の影響で衣服が破けてたしな。と俺が思っていたら、その衣服はどうやら、特別性であるらしい。
黒色の上着、それは、低確率でドロップするアイテムだった。
「おい、柊それ…あ」
しかもそれだけではない。
柊がゾンビの中から引っ張り出したのは、新しい武器だった。
鎖の付いた小型なナイフ。
ナイフの尻から飛び出ている鎖、その先端が、手錠の様になっていて、柊はその手錠を自分の手首に巻き付けていた。
「みてみて、おしゃれ?」
柊がそう言って手首に巻き付けた手錠を振り回す。
ぶんぶんとナイフが振り回されるのでとても危険だった。
「おい、止めとけ…クソ、新しい武器」
どうせなら俺が性能を確かめたかった、一度触ってみるが、反応が無い。
どうやら、柊が触った時点でその所有者登録が柊のものになってしまったらしい。
となると、その黒い上着も、柊名義で登録されてしまったのだろう。
勿体ない事をしたな、と思った。
だって、このゾンビの群れで、いきなり二つもアイテムがドロップしたのに、それが自分の手に入らなくなったと言うのは、残念と言う他無いだろう。
「はぁ…まあ、良いか」
護身用にでも持たせておこう。
俺には、黒刀も持ってるしな。
あれから俺は学校を目指して動いた。
大体、二週間ほどが経過してしまった、その間で俺は、色々な所を探して、学校付近へと到着したが、焼野原と化していた。
此処にはもう何もない、恐らくは、その学校に居た人間も、全員…。
「…」
何となくは想像していた。
だからと言って、実際。
自分の目で確かめなければ分からない事もあるだろう。
俺は近くの瓦礫に腰を掛けて、千幸を想った。
俺の数少ない友人は、もうこの世には居ないのだと。
「ひぃくん…?」
俺を慰める様に、柊が背中側から手を回してくる。
こいつはどうやら、俺を家族の様に認識しているらしい。
「だいじょうぶ?」
柊がそう聞いて来るので、俺は頷いた。
「大丈夫に決まってんだろ、…ただ」
この後は、どうするか。
この後の事を、俺は何も考えて無かった。
「もう、目的も無くなったからな…」
千幸が居ないのなら、俺が生きていても仕方が無い。
そんな事を思う俺に、柊が体を抱き締める。
「じゃあ、見つかるまで、りつき、一緒に居てあげる」
柊が、俺を慰めてそう言ってくれた。
鬱陶しい女だと思っていたが…今は、寂しさを埋めてくれる事に感謝をしている。
「…取り合えずは、移動するか、此処には何もないしな」
どんなに悲しんでも腹は減る。
いや、実際問題、俺の肉体は腹が減っても死ぬ事は無い。
肉体は最早エネルギーによって行動が可能だ。
歩けば皮膚に当たる風からエネルギーを吸収し、ただ立っているだけで太陽光からエネルギーを摂取出来る。
だから飢餓による死は無いが…それでも人間としての機能が残っている為に、腹は減って来る。
慣れれば腹が減っても大丈夫だろうが、時折、食事をしていた時を思い出してしまって、懐かしさと腹を満たす為に、食事をしていた。
「懐にプロテインバーが二つ」
俺の胸ポケットにはチョコ味の携帯食料が握られていた。
柊の方を見ると、ポケットから飴玉を取り出した。
「いちご味とれもん味が一つずつ」
「そうか、ホラ」
俺はプロテインバーを開けて半分に折った。
それを柊に渡すと、柊はそれを指先で掴んで細々と食べだした。
「…スーパーゾンビ」
「…?」
俺の言葉に、柊がプロテインバーを食いながら首を傾ける。
「こんな何も無い所にも、居るんだな」
俺たちの方を発見して走り出すゾンビ共。
こんな何もない所、と言ったが、そういえば俺たちが居たか。
そんな事を考えながら、俺は腰に帯刀した黒刀を鞘ごと外して武器として握る。
柊も、袖の間から、使いこなした鎖付きのナイフを取り出した。
俺の方は当たり前の様にゾンビを倒していく。
柊はぶらりと、ナイフを手から離してぶらぶらと鎖を揺らしていく。
「は」
軽く手を振るうと、鎖が段々と伸びていく。
その鎖が、ゾンビの首に向けて突き刺さると共に、首付近の肉が抉れていく。
そうして、ゾンビが倒れると共に、柊は素早く走って、ゾンビの頭部を思い切り蹴り上げた。
「(随分と成長したな)」
俺は余所見をしながら、柊の戦闘方法を見て言う。
柊の所持している武器は二つの特性を持つ。
一つは鎖の部分であり、柊が望めば望む程に、鎖が延々と伸び続ける、と言うもの。
そしてもう一つがナイフ。
ナイフに突き刺さると、そのナイフにはナノマシンを吸収する役割を持つ。
吸収したナノマシンは一時的に、柊にフィードバックされる、つまりはドレイン能力と言うワケだ。
その二つを使い、ナイフと鎖を自在に操る、それが柊の武器であると言う。
ちなみにまだ名前が無いらしい。
俺が新しい名前を付けてやると言っても、柊は嫌だと言っていた。
一体何が悪いと言うのだろうか。俺は不思議でならなかった。
粗方ゾンビを倒した末に、俺は肉体情報を確認するが、レベルは上がっていない。
「雑魚じゃあ上がらないか」
仕方が無いと思いながら俺は柊の方に顔を向ける。
柊は、俺の視線に気が付いて、首を傾け、髪を掴んで肩を晒す。
「みる?」
と、そう言われたので俺はあぁ、とだけ言って、彼女の首筋に手を触れる。
この二週間で分かった事だが、柊は俺と同じ状態になったらしい。
便宜上は『プレイヤー』とでも言っておくが、同じプレイヤーが肩や首筋辺りを触った状態でステータスを開くと、その画面を共有する事が出来るのだ。
【LEVELUP.+2:LV18】
【筋肉強化率/12.54%上昇】【骨格強化率/10.22%上昇】
【神経強化率/05.42%上昇】【皮膚強化率/09.34%上昇】
【器官強化率/12.43%上昇】【脳髄強化率/01.11%上昇】
LV【18】
【肉体情報】
筋肉強化率/299.92%→312.46%
骨格強化率/203.38%→213.60%
神経強化率/392.54%→397.96%
皮膚強化率/290.31%→299.65%
器官強化率/318.32%→330.75%
脳髄強化率/141.86%→142.97%
【ナイフ型『NoName』】
機械細胞吸収/Grade.C
鎖状伸縮能力/Grade.B
鎖状操作能力/Grade.B
これが柊のステータス。
レベル18にしては、かなり優秀なステータスではないだろうか。
基本的に柊は筋肉強化、神経強化、器官強化が高い事から、スピード特化と言った感じだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます