魔法学園のエリートはVtuberを舐めている! ~たとえ百合営業に巻き込まれても私が親友に惚れるわけがない~
第21話 【宙才エリス/個人Vtuver】改めて初めまして! 超天才魔法使いVtuver、ママと一緒にデビューだよ! ゲーム配信もしちゃう!【メスガキローグライク】 そのよん
第21話 【宙才エリス/個人Vtuver】改めて初めまして! 超天才魔法使いVtuver、ママと一緒にデビューだよ! ゲーム配信もしちゃう!【メスガキローグライク】 そのよん
ナレーション
「投げナイフと、マジックショットを入手した!」▼
主人公
「ここが第一ダンジョンか。この奥に封印を守る守護者ってやつがいるんだよな。さっそくいくか」▼
ダンジョンはよくある感じの見た目だった。湿った岩場に、お花の姿の敵がよろよろと動いてたまに種を飛ばしたり、跳ねたりしている。あんまりおどろおどろしい感じはしないし、結構かわいいかも?
「よし、れっつご~! え~っと、□で武器攻撃だよね。投げナイフだから、遠距離。マジックショットは△だよね……あれこれ射程がおんなじ?」
コメント
・武器運が残念
・威力とか連射速度とかで多少使い分けできそうだけど
・こういうのってなんでか上手くばらけなかったりするよね
動きを確認するためにとりあえず連続でボタンを押していく。私の動作に従って画面の中のキャラクターが動いていく。
「ふんふん……しゅん、しゅん、しゅしゅーんって感じ。投げナイフは若干前進しながらナイフを投げてから、最後に後ろに飛んで二本投げるんだね。最後だけちょっと威力高そう? 次に魔法は……ぐ~バババ~! って感じ。少しチャージしてから三連発のショット。これは連続では撃てないみたい」
「長押ししてみたら?」
「長押し? お~、ぐ~って貯めてから、いっぱい撃てるね!」
コメント
・小学生かな?
・声の可愛さも相まって保護者になった気分になる
・かわいい
チャージしながら進みつつ、敵が出てきたら離す。放たれたショットが敵を貫通して蹴散らす。
「おお~、爽快感あるかも!」
「魔法はチャージが出来るのが多いから試してみて」
「は~い! 敵も花の姿で可愛いし、楽しいね~。よし、ボスまでがんばっちゃうぞ~!」
§
メスガキング
「おにーさん負けちゃったんだ〜? よわよわ〜で仕方ないね〜? 敵弱くしてあげよっか〜?」▼
主人公
▶︎はい
いいえ
メスガキング
「仕方ないな〜……ってあれ、これ以上弱く出来ないよ? 最弱の敵に負けちゃったの〜? うそ〜ザコすぎ〜!?」▼
「ねぇ!? この子すっごい煽ってくる!」
「ママはノータイムでえりりんが“はい“を選んだことにビックリしてしまったのですわ」
「だって! 勝てない!」
コメント
・道中で察してたけど、びっくりするほどヘタクソですわね
・クソなんてお下品ですわよ
・余りの負けっぷりに言葉を失ってしまったですわ
・おハーブ生やす暇がありませんでしたわ
・<冷やし鍋ラーメン>なんで突然みんなお嬢様になったのですわ?
ボスは主人公の二倍くらいの大きさがある、赤いチューリップだった。花弁が開いてから道中の敵と同じように種を飛ばしてくるんだけど、
メスガキング
「仕方ないな〜、はい、すっごい強い武器! すっごい強いんだから、これで負けたら恥ずかしいよ〜?」▼
ナレーション
「英雄の剣を手に入れた!」▼
ナレーション
「次回以降ダンジョンに入る際のランダム武器が、英雄の剣に固定されます」▼
メスガキング
「これで負けたら恥ずかしいんだからね~? お願いね、おにーさん? がんばって」▼
「今度こそ負けないから大丈夫だよ~だ! ……ん? あれ、この子なんで主人公の事を応援してるの?」
「……さぁ? ラスボスまで来ないから暇なんじゃない?」
そうかなぁ。暇なら直接来ちゃえばいいんだし、条件を達成されたらメスガキングちゃんは好きされてしまう立場なんだから、応援するのって変じゃないかなぁ。
コメント
・つまり好きにされたいってことかな
・なるほどな(なるほどな)
・おまわりさんを呼ぶ準備が必要ですね
「そ、そういうことなの……? へ、へ~」
「……なんでちょっと顔赤くしてるのよ」
「ししししてないよ!?」
コメント
・隠しきれてないよ
・これはむっつり
・なるほどな(なるほどな)
むっつりじゃないよ!!! 私は別にそんなこと欠片も想像してないからね!
「え~と、コホン! よしダンジョンに行くよ!」
ナレーション
「英雄の剣と、ファイアランスを入手した!」▼
主人公
「一回目は負けたが、次はこうはいかないぞ」▼
「よし確認だね。最初にファイアランスから――」
先ほどと同じようにどんな攻撃なのか確認していく。そして英雄の剣を確認し終えて――。
コメント
・ビームを放つ黄金の剣……?
・これエクスカリバーですね
・エクスカリバーはビームを撃つ剣ではないんだわ
・馬鹿強くて草
「え、強すぎるんじゃ……? これ多分、画面外までビーム届いてるよね? しかも威力もすごい高いし」
「そうね。逃げながらビーム撃ってれば、大体の敵にほぼ確実に勝てる武器ね」
「う、うーん……強すぎじゃないかなぁ。こんなの誰だって簡単に勝てちゃうよ?」
「……そうね」
§
メスガキング
「仕方ないな〜、はい、すっごい強い魔法! すっごい強いんだから、これで負けたら恥ずかしいよ〜?」▼
ナレーション
「英雄の魔法を手に入れた!」▼
ナレーション
「次回以降ダンジョンに入る際のランダム魔法が、英雄の魔法に固定されます」▼
「…………」
「…………」
コメント
・なんか言えよ!w
・うそ、この天才弱すぎ……?
・草
「ま、まあまあまあ。大丈夫、大丈夫。最強セットになっちゃったからね~。次は楽勝だよ!」
「いい、えりりん。この魔法、チャージなしに画面全体に攻撃出来るから。とりあえず連打すれば勝てるから。敵が画面外の時は剣撃って、画面内なら魔法撃ってればまず間違いなく勝てるから。おっけい? 頑張ってね?」
「も~、ママってば、そんなに心配しなくても大丈夫だよ~、さすがにそんなに強い武器を持って勝てないなんて――」
§
メスガキング
「わざとやってないよね、おにーさん。私のことを好きにしたくないから? それとも私のことを馬鹿にしてるのかな」▼
「わざとじゃないよぉぉぉおおお!」
コメント
・もうみた
・最強武器もって十回も負けるのか……
・負けすぎてメスガキングが拗ね始めちゃった
・これで負けるならどうやったら勝てるんだ
・ダメージが1で固定されてるし、動きも単純なはずだよね……?
・道中で雑魚敵にぶつかりまくるのが悪いのでは
・なんで魔法撃たないの???
・ま だ 一 つ 目
私だって必死にやってるんだよ! でもなぜか魔法撃ち忘れちゃうし、敵が主人公に吸い込まれるし、動きが変になっちゃうんだよ!!!
「えっと……こんなに酷かったのね」
「ママ!?」
横を見たら呆れの色をしたユウが頭痛を抑えるような仕草をしていた。酷くない???
コメント
・ママも想定外の弱さ
・天才ってなんだっけ
・敗北の天才?
・誰もゲームの天才とは言ってないからね。仕方ないね
メスガキング
「こ、これで最後だからね……これ以上は私でもお手伝いできないから」▼
ナレーション
「道中の敵からのダメージが0になった! HPが100になった! 被ダメージ時の無敵時間が2倍になった!」▼
メスガキング
「これで負けたら怒るから。本当に怒るからね、おにーさん」▼
「は、はい……頑張ります」
「ちなみにダメージが1に固定されてるのは、ベリーイージーモードだからで、通常プレイならもう少しダメージ大きいから、リスナーでやりたい人はもう少し歯ごたえあるから安心して」
コメント
・メスガキイライラで草
・<冷やし鍋ラーメン>えりりん、がんばって!!!
・さすがにここまで楽ではないのね。ちょっと面白そうだし買ってみようかな
・短めっぽいけど、五百円で買えるっぽい
・途中ダメなしは楽すぎじゃない?
・さすがにこれで勝てるでしょ。勝てるよね?
・う、うーん
「みんな! 諦めないで!?」
コメント欄まで私が勝てる未来が見えないらしい。なんでだ~~~!!!
§
主人公
「よし、楽勝だったな」▼
「えへへ、そうだね楽勝だったね!」
「HP半分まで削れてるんだけど」
「半分も残ってるんだよ!!!」
コメント
・道中ぶつかりまくってたし、これ主人公三・四回くらい死んでね?
・楽勝(瀕死)
・これまだ第一ダンジョンだよね? ラストまでいけるの?
・ダンジョンが短いのが救いかな。一周五分もかかってないし。
・そんなに短いのになんでこんなに負けているんです?
・天才だからさ
何とか無事にチューリップのボスを倒すことが出来たけど、どこにも褒めてくれる人はおらず、私は寂しくなりました。一時間以内にクリアできたんだから、偉いでしょ。褒めてよ。
※作者による読まなくてもいい設定語り
アリスは勝敗が付くもの、競争が発生するもの、戦い等にデバフがかかる。ゲームが下手な理由はこれ。デバフの理由は精神的なものと……。
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