第2話 初めてノックアウトされた話

ボクシングで、ひとくちにダウンするといっても色んなパターンがある。

アッと思った瞬間に床に手をつくパターン。

ダメージは少なく、すぐに立って試合を続けられるタイプ。

足を使って腰が高い傾向。


対照的なのはスタンスを広くとって、ガッチリとガード。

打たれても我慢するタイプ。簡単に倒れないがダメージが大きい。


10代の時に初めてKOされた時は、ロベルト・デュランがハーンズにKOされた時の様だった。

鼻の奥で焦げた匂い(経験者はわかる)がして、自分の頭がボーリングの

ボールの重さになる。

床の強力な磁石に吸い寄せられた様に、頭から落ちていくことに逆らえない。

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