ウチの変態幼馴染がとにかくキモイ
レベルNデス
プロローグ+第一話「入学」 その1
プロローグ
『あのさ』
『うん』
『俺らももう中学を卒業して高校生になるわけじゃん?』
『そうだね』
『だからさ…、そろそろしてもいいと思うんだよね』
『…何を?』
『セックスを』
『お前ほんと殺すぞ』
第一話 「入学」
「行ってきまーす」
「気をつけてねー」
ウチの名前は
時刻は午前八時半。今ウチが向かってるのは、これから通う高校の入学式だ。
オープンスクールで行ったときの印象としては、自分の特徴と全く同じでこれまた普通の高校って感じだった。
創設されてから長いのか、校舎は少し古めの雰囲気ではあったが、それもまた普通の高校感を演出しているようだった。
高校の学力も普通で、一般的な進学校って感じだ。でもだからって自称進学校みたいなのは窮屈そうで嫌だな…、と若干の不安もよぎる。
ちなみにドラマとかでよく見るような屋上常時開放っていうのも無かった。ていうか、多分屋上を一般開放している方がレアなので、これが普通なんだと思う。
まさに一般的な高校って具合の学校なんだけど、唯一他校と違う『気迫』を感じるのはその学校の名前にあった。
ウチがこれから通う学校の名前は「無敵高等学校」。
そう、無敵である。
なんでも、初代校長の名字が無敵だったことから、ノリで付けられたらしい。
…嫌すぎる。
学生証を出したときに「無敵高校」の文字を見られるのが嫌すぎる。
甲子園に出場するときに、その名前に反して一回戦負けする姿を見られるのが嫌すぎる。
そもそも、他の高校と交流すること全般が嫌すぎる。
それならこんな高校を受験するなよって話なんだけど、ウチの学力で受かりそうでなおかつ通学距離が近いのはここくらいしか無かったので、もはやあきらめるように受験するしかなかったのだ。
とまあ、そんなこんなで名前だけが最悪な高校の入学式に今向かっているわけだ。
ふとあたりを見回すと、これから同じ学校に通うであろう同じ制服の同胞たちが歩を進めていた。
入学式に向かう面々の制服は、これからの成長を鑑みてか少し大きめで、初めて着用したのもあってしわも一切ついていないほどだった。それに加え、まだ中学を卒業したばかりなのもあってまだ制服に着られているように見える。
自分も同じ立場であるにもかかわらずそんなことを思いながら、腕時計で現在の時刻を確認する。
現在の時刻は八時四十分。九時半に入学式が始まるので、到着してからも時間の余裕がありそうだった。
とりあえず遅刻の心配が無さそうなことに安心し、止まらず歩を進める。
ちなみにウチの両親は今日の入学式には出席しないらしい。
理由を聞くと、「入学式っていろんなお偉いさんの長~い話があって退屈じゃない。欠席するわ」とのこと。
親としてそれはどうなんだ…、と思いながらもこの緩さを気に入っている自分も密かに感じていた。
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