僕の知らぬ間に高校が誇る美少女たちからの好感度が爆上がりしているんですがなんで?ついでに病み度も爆上がりしているんだけど……ごめん、お願いだからそこはついでで爆上がりしないで!?
リヒト
第1話
電気がついておらず、真っ暗な部屋の中でゲーミングPCと数枚のモニターが光り輝き、椅子に座る部屋の主を映し出す。
少しだけ長いボサボサとした黒髪に濃いくまを目の下に作る男の子。
かなり珍しいであろう紫色の瞳をしたその少年の表情は死んでいて、かなり根暗なイメージを植え付ける。
そんな少年ではあるが、顔立ちはかなり整っており、精一杯身だしなみを整えればの話ではあるが、アイドル顔負けのルックスをしていた。
「あー。ちょっとこっち側支援してもらえません?思ったよりも敵硬い」
そんな少年は死んだ顔を浮かべながらヘッドフォンに内蔵されている向かって喋る。
『了解だよぉー』
どこか間延びした女の声がヘッドフォンから帰ってくる。
「んっ……これでクエ終わりかな?」
少年が通話相手である少女に助けを求めてから数十分。
ゲームのクエストが終わったのか、少年が一息ついて体を伸ばす。
「……明日は久しぶりの学校なので、この辺で落ちるかなぁ」
『やや。そうかい……そうかぁ。レテン氏は学校だよねぇ』
「夏休みが終わっちゃったので……うぅ、学校に行きたくない……」
『駄目だよぉ。ちゃんと学校には行かなくちゃぁ……それでぇ?ちゃんと宿題は終わっていますかぁ?』
「昨日サクッと終わらせた。そこまで問題が難しくなかったし」
『……君ってばぁ、ちょいちょい有能さアピってくるねぇ……ゲームばかりしているのに頭良いの才能の理不尽さを見せつけられるぅ』
「まぁ、地頭はそこそこ良いですからね。僕。ゲームばかりしてて定職についているか怪しいお姉さんとは違って」
『う、うぐぐ……君も随分と鋭いナイフを使うようになかったじゃないかぁ……それでも君は私を肯定してくれるだろうぅ?』
「まぁ、一応そこそこの縁ある友達だからね。金がなくて、借金返せなくて体を売るしか無い!ってなったときにお金を貸してあげるくらいのことはしてあげるよ。僕に払えればの話だけど」
『そ、そこまで酷いことになったりしないよぉ?私はぁ……多分』
「多分って言っちゃているじゃん。その時点で駄目でしょ。もう」
『うぐぅ……』
「それじゃあ、自分は落ちるね。おやすみ。また明日」
『う、うん!また明日だよぉ。レテン氏』
通話を切り、部屋唯一の光源であったゲーミングPCとモニターの電源を切った少年はいそいそと布団の中に入る。
基本的には常に引きこもっている少年、神崎碧衣は明日の学校に備え、いつもより早く眠りについた。
ちなみに既に深夜三時である。
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