縫い包み
椎葉伊作
一
【ひとりかくれんぼ】
日本の近代怪談。また、都市伝説。また、降霊術。
〈やり方〉
・ぬいぐるみ、米、縫い針、赤い糸、爪切り、刃物、コップ一杯程度の塩水を用意する。
・ぬいぐるみに名前を付けて、中の綿をすべて取り出し、代わりに米と自分の爪を入れ、赤い糸で縫い合わせる。余った糸は、ある程度ぬいぐるみに巻き付けて結ぶ。
・家の中で、予め隠れる場所を決める。そこに、コップなどの容器に入れた塩水を用意しておく。
・午前三時になったら、ぬいぐるみに対して、「最初の鬼は〈自分の名前〉だから」と、三回言い、浴室に行き、水を張った風呂桶か浴槽にぬいぐるみを入れる。
・浴室を出たら、家中の灯りを消して回り、テレビのみ電源を入れた状態にして、目を瞑り、十秒数える。
・刃物を持って浴室に行き、「〈ぬいぐるみの名前〉見つけた」と言って、刺す。そして、「次は〈ぬいぐるみの名前〉が鬼」と、三回言い、自分は塩水を用意してある場所に隠れる。
・その後、塩水を口に含み、ぬいぐるみを探し出し、残りの塩水、口に含んだ塩水の順でかけ、「私の勝ち」と、三回宣言する。
〈注意事項〉
・一度始めた場合、必ず二時間以内にこの順序で儀式を終了しなければならない。
・儀式に使用したぬいぐるみは、燃やして処分する。
・儀式を行っている最中に、奇妙な物音がする、ぬいぐるみの位置が勝手に変わっている、などの怪奇現象に見舞われる可能性がある。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます