明日への戦い(フリーエージェント編)

遠藤 修

第1話 主人公の名は『中村』どこにでもある名字だ。

 主人公の名字は「中村」といいその辺によく転がっている名字である。

 中村の職場は、上越警察署の中の会計課で、落とし物や忘れ物等取り扱いながら落とし主に連絡を取ったりして上越警察署に拾得物として届けられた品物や金品等の処理を行う事が主だった仕事であるのだが、上越警察署の管轄したり管理している地域というのは、かなり広くて様々な物が交番や派出所や警察署に届けられるので私は「もう毎度毎度面倒臭いな~」と心の中でぼやきながら仕事をするようになってしまっていたのだった。


 上越警察署に落とし物を届けに来られる方の中に変わった中年のおじさんが常連として以前から訪れていて「あーだこーだ」とか「この品物はこうこうこうでこういった品物である」とか「普通に定期券を拾いました」と上越警察署まで持ってきてくれているので「どう取り扱えばいいのだろう?」と毎度頭を悩ませることになってもいるのであるのだけれど「れっきとした落とし物と忘れ物であるので『なんも言えねぇ』としか言えないけれどどうなってるの本当に」と思うしかなかった。

 

 そんな落とし物の窓口業務から解放されることになり後輩の「小泉」君や「金子」さんに業務を引き継いで中村は、普通の会計課の職員になったのであった。


 私が落とし物係りを卒業してからも日常的に落とし物を届け続けているイケメンの中年のおじさんの行動にさほど変化もなく「あーだこーだ」とか「なんやてぇ~」とかなど上越警察署を訪れ続けているのであるのだが、どんどんエスカレートしているようで上越警察署の職員や警察官に難癖をつけたり「警察官としての心得」や「当直の警察官」に対しても何かしら思うところがあるようで「あーだこーだ」とか因縁をつけたり問題や質問をしたりして警察官としての値踏みをしているらしいのであるのだが、「ただ単に病んでる」だけの人なのかもしれないと中村は、距離をおくことが出来るようになったので一安心なのであった。

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