<5>優等生

絶対合格する

受験生は絶対に思うこと


あたしだって思ってる

だって


合格しなければ殺されるから


親は

なんでもかんでも一流にしたくて


自分は優れてないくせに

自分は三流大学のくせに


その反動があたしに来たんだ


父は物を書くことができるが 勉強はいつでも低で

母はスポーツに優れているが それ以外は何もできず


全部できる私を産んだとは とても信じられない事実だった


だから一流大学に 無理やり受験させたんだ


私はいっそ落ちてしまいたかった 


受かってもあいつらを 喜ばせるだけだから

学力的には高校で 十分なくらいなのに


私はあいつらと違って 優等生だから


普通に合格することができれば 信用は得られるだろう

常識 マナー すべて守って


そんな完璧優等生 演技してれば褒められるもん


私は完璧優等生

親はまだまだ凡人類


天地ほど差がある奴らなのに

まだ娘だと思ってる馬鹿な親


決めた


試験は堕ちるか落ちるか

自殺するか、不合格か


何も知らない親のくせに

全て押し付けた堕落者のくせに


あたしが突然いなくなったら

あいつらどんな顔をするかな?


それを天国から じっくりゆっくりながめてやろうか


楽しみだな

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