クビになったVtuberオタ、ライバル事務所の姉の家政夫に転職し気付けばざまぁ完了~人気爆上がりVtuber達に言い寄られてますがそういうのいいので元気にてぇてぇ配信してください~
57てぇてぇ『年末特別配信・ワルナイ2nd・【期対抗ゲーム大会】後編』
57てぇてぇ『年末特別配信・ワルナイ2nd・【期対抗ゲーム大会】後編』
『さあ! 期対抗ゲーム大会最後のレース対決は最後の最後まで分からない熱戦となりました! ねえ、みるるさん!』
『いいですねえ! いいですねえ! もえる! もえるわあああ!』
レースでは、ガガをがっちりブロックしながらもしっかりルートを確保するテクニカルな走りをするワカナさんと、何度も無謀なアタックを繰り返すガガの壮絶な勝負が繰り広げられていた。
『くっ……のおぉおおお! ワカナ先輩じゃまぁあああ!』
『そういう走りをしているからね!』
ガガのアタックが何度も防がれ、徐々に残り距離が少なくなっていく。
『く、う……! 負けない! 勝つ!』
『ガガにだって、負けたくない理由はあるんですよぉお!』
『な……!』
その瞬間、ガガは急に方向を変え、別方向へと走り出す。
それはショートカットコースのルートだけど、
『3連続でピンポイントタイミングを合わせなきゃいけない最高難度のショートカット、あたしなら、ガガちゃんなら! いけるでしょっ……!』
ガガは、ショートカットコースに飛んでいく。そして、
『いっかああああい!』
成功。
『に、っかああああああい!』
成功!
『さん、かぁああああい!』
ガガの必死のショートカット。
それは、結局、うまくいかず。
『ゴール! 結果は、一位2期組! 二位3期組、三位5期組、四位4期組という結果になりました!』
ガガ達はレースに負け、総合優勝も逃してしまった。
「おつかれ、ガガ」
「ちっきしょ~、一番のざこちゃんはガガでしたわ、はは……」
虚勢を張りながらも俺には分かりやすいほどに落ち込んでいるガガに俺はマドレーヌを渡す。
「ほい、お前の好きなヤツ」
「先輩……いやあ、それはズルいっしょ……!」
ガガががぶりとかじりつき目を閉じて噛みしめている。
何度も何度も。
コイツなら大丈夫。だって、
「ガガちゃん! 大丈夫!? 元気ある? お菓子食べる?」
「ガガ……これは、高級なヤツよ。ガガにも半分あげるわ」
さなぎとマリネはお菓子を抱えてガガの元にやってきてた。
「いやあ、ごめんねえ。ざこちゃんはわたしだったわ~」
「そ、そんなことないよ! ガガちゃんすごかったよ」
「うん、ワタシなら一回目でミスってる」
「いやあ、でも……」
「ガガちゃん……」
さなぎちゃんとマリネの間を割るようにそーだがやってくる。
そして、ガガの、頭を撫でた。
「は?」
「よしよし、負けて残念だったね。ガガちゃん、でも、ガガちゃんはざこちゃんだから気にしなくていいとそーだは思うの」
「は? は? はあああああ!?」
そーだの最上級の煽りが決まった。
そういえば……フロンタニクス時代は、ガガはよく落ち込んだりイライラして放り投げてその度にそーだに煽られてまたやり始めてを繰り返してたな。
振り返ることが大事かは分からないけれど、こうして本気でやった結果、過去が繋がってくるのなら、やっぱり本気って無駄じゃないんだなと二人を見て思わされた。
そして、
「おつかれ、ガガちゃん」
「あ、おつかれさまでした。負けましたわー」
鉄輪ワカナが微笑みながらこっちに歩いてきていた。
「いや、でも、いい勝負だったよ。でも、最後なんでショートカットで勝負したの? もしかしたら、粘っていたら抜けてたかもしれないのに」
「え? そうっすねー……」
ガガは、チラリとこちらを見ると笑って、
「そっちの方が楽しそうだったから。あたしガチで楽しく生きたいんで」
そう言った。
そして、5期組のみんなと笑いあった。
「そっか……そう、うん、そっか……あー、勉強になったなー……」
ワカナさんはそういいながら顔に手を当て天を仰ぎ、そして、
「ワカナさん!?」
そのまま倒れた。
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