神様のお手伝い!

サトら

第1話 神様との出会い 前編

 俺は、神木かなぎ ひかる。普通の高校生だ。まあ友達は少なめだが。


 たとえクラスの完璧美少女である羽地はねち知由ちゆに告白されても俺はこの平穏を守るために断る自信がある・・・やっぱり、断らないな。付き合えるなら。


 羽地知由は成績優秀で運動神経も良く、人当たりも良くて、めちゃくちゃ可愛い。引き締まった体なのに出るところをちゃんと出いいて目はくりくりしている。なのでもちろんモテている。男子が何度も告白して振られたところを見たことがある。


 俺が羽地を見ていたら、俺の男友達の池松いけまつが声をかけてきた。


「やっぱ、羽地って可愛いよなー。お前も告白したら?ちなみに俺は告白済みだぜ。もうクラスの男子の半分は告白してる。」

 池松は羽地を見て言った。


「どうせ振られるのに告白するわけないだろ。それに好きじゃないし」


「だけど、可愛いんだろ。」


「それはそうだけどさー。付き合えるわけないのに告白するのって、時間の無駄だし、勇気の無駄遣いじゃん!」


「まあ~そうだな。・・・だけどな!告白すればするほど勇気がなくても告白できるようになるぞ!」

 池松は羽地をこれでもかというほど見つめながら大体の男子高校生は知らない真理を言った。


 そんな感じで池松が羽地を見つめていたからだろう。羽地はその池松の視線に気づいてこちらにやってきた。


「どうかした?」


 俺は池松と顔を合わせた。俺は女子と話すのが苦手なのだ。

「い・・・や・・・なんでもにゃいよ。」

 池松がカミカミで答えたのにも関わらず、羽地は面白そうに笑った。・・・池松さん、池松さんお前は告白しすぎて勇気がなくても話せるじゃなかったのか!それに、こんなカミカミの池松に対して笑えるなんて、神だろ!


「え~池松くん、かんでるよ~おもしろーい。」

 羽地に笑いながら言われて池松は顔が赤くなる。・・・さっきまでの勢いはどこに行ったんだよ!


 ひとしきり羽地が笑った後、

「また、何かあったら言ってね~」

 と言ってもといた場所に戻ろうとしたら、

「俺と付き合ってくだしゃい!」

 池松がこれまたカミカミ言った。

「・・・」

「・・・」

 俺と羽地は無言で池松を凝視した。・・・・・だってこんなダサい告白があるだろうか?いやあるまい!


 俺がそんなことを考えていると、羽地はもう衝撃から立ち直ったらしく、

「ちょっと~無理かな・・・・・・・・もちろん友達だからね!」

 苦笑しながら言って早歩きで、元いた場所に戻っていった。


「いや~やっぱ羽地はかわいいな。・・・・・こういうのもありかも」

 池松はそんなドM発言をした。



 しばらく、池松を慰め&池松がMなことについて、議論をしていると、クラス担任が入っきた。そろそろ、ショートホームルームが始まるので話を終えなくてはならない。なので話を打ち切ろうとすると、池松が急にさっき話していたこととは全然違うことを言った。


「なあーなあー、今日俺と一緒にゲーセンいかね?」

 それはやばいよ!全力でお断りするよ!池松とゲーセン行くと最後は


「あーーーくっそっ!おい、神木、金よこせ!」

 と、言われてしまう。そう思うと池松の将来が心配になってくる。大人になったら毎日パチンコに行くのではないだろうか。


「ごめん、行きたいんだけど家で見たい映画があるからさ、まじごめん。」

 普通に今日帰ったら映画見ようと思っていたしな。


「あっそ、ならいいよ。」

もっと粘られると思ったのだが、あっさり自分の席に戻っていった。



 担任が話していることを聞き流しているとすぐに、ショートホームルームは終わった。こういうのって、ぼーとしているととても早く感じる。友達と帰ろうと思い、あたりを見渡したら数人しか人がいなかった。・・・もしかしてとっくにショートホームルームが終わっていたのか!?俺は急いで時計を見ると、池松と話し終わってから10分が経過していた。


 おいおい、映画見る時間が減るじゃーないか。このままだったら宿題もあるから全部目れないよ。俺は急いで荷物をもって教室を出でた。



 俺は少し早めに歩きながら、今日はどんな映画を見ようか考えてみた。アクション、ホラー、SF、それともファンタジーにしようかな~そんな感じでルンルンで帰っていたその時である。


 俺はうずくまっている小さな女の子を見つけた。身長が小学生で、日本人ではありえない白髪だ。顔は良く見えない。

(珍しい髪の色だな~)

 と思い、その女の子に視線を向けながら、通り過ぎようとした。


 皆さんは、小学生がうずくまっているのに通り過ぎようとすることに対して「クズ、ゴミ、カス!」とかいうのだろう。だけどよく考えてほしい。


 たださえ、家に帰るのが遅くなって映画を全部見れないかもしれないから、これ以上家に帰る時間を遅くしたくない。それに小学生ぐらいの年齢ならうずくまることぐらいあるだろう。俺だって親がお菓子を買ってくれなくて、家出したことがある。・・・これは普通じゃないか?普通、お菓子買ってくれないだけならぐずる程度かな。


 だけど、通り過ぎるときにその女の子が寝ていることに気づいた。


 俺は映画を我慢して声をかけることにした。さっき言っていることをすぐ破っているじゃん、と思うかもしれない。だけどさすがに女子小学生が路上で寝ているのは明らかに異常だ。それにロリコンに何かヤバイことをされるかもしれない。だから起こすのだ。


 これを明日、池松に話したら

痴漢ロリコン性犯罪者ロリコン変態ロリコンだ~」とか言われそうだが気にしない。


 というわけで、俺は女の子の肩をトントンとたたいた。しばらくすると女の子は顔をゆっくり顔を上げて目を開けた。


 めちゃくちゃかわい。目、口、鼻、すべてが愛らしい。それに、今彼女は起きてすぐに浮かべる特有な表情をしていて本当に凄い。・・・これ以上描写すると性犯罪者ロリコンでつかまりそうだから描写しないが本当に可愛い。


「なんで寝てたの?」

 俺は直接理由を聞いた。


「気づいたら寝てました。」

 女の子はまだ眠そうな表情で言った。


「おにいさん、お腹すいた。おにいさんの家でなんか食べさせてくれませんか。」


 俺は固まった。今家に両親はいない。そして妹も部活で帰ってくるのが遅い。つまり!、家には誰もいないのだ。なのでこの子をすることが・・・違う違う、この子を家に連れて行き食べ物を食べさせるが出来るのだ。


まっ、俺にはいろんな意味で小学生を連れて帰るお持ち帰り勇気はないけどな。・・・そんなわけで断ることにした。


「ごめんね、家は無理かなー」

 俺はすまなそうな顔を作りあやまると、


「女子小学生が頼んでるんだからいいじゃないですか。めちゃくちゃお腹すいたんです。もうお腹の音がグーグーこえてゴーゴーだよ。」


 よくわからない。「ぴえんこえてぱおん」とか昔あったからそれの真似だろうか。ていうか女子小学生だったら何を頼んでよいわけではない。


「もしも本当に、お腹からグーグーじゃなくてゴーゴーってなったらおにいさんの家でご飯を食べてもいいですか?」


 俺は絶対に無理だと思った。そしてこれをさせたら、この子もあきらめてくれると思い了承することにした。

「なるわけないだろ。もし本当に、ゴーゴーなったらお前を家に連れて行ってなにか食べ物をやるよ。」

 その直後、


「ゴーゴー」


 と、女の子のお腹からそんな台風みたいな音が鳴った。


 マジかよ。本当になったよ。腹が極限まで減ったら、グーグー超えてゴーゴーってなるのかよ。

「ふっふっふ、なりましたよ?。」

 そう言って自慢げに、そして期待した表情で俺を見た。俺はやけくそになって言った。

「あーそうだな分かったよ。連れていくよ。だけど、後悔しても知らないからな。」


 俺はそんなわけで見知らぬ女の子を家に連れていって、ご飯を食べさせることになった。・・・大丈夫だよな。これ犯罪ロリコンじゃないよな!?

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