第57話 結婚式会場
リン対ハクケンからの勝負が終え、時は少し遡りレイヤ達対ノーディの戦いの場面に向かう。
「早く終わらせないと、また王様に怒られちゃうわ。せっかく今宵は結婚式という晴れ舞台があるのに」
「結婚式?誰と誰がだ?」
「それは勿論。この国の国王であるマクラ様とクロエ姫ですわ。まぁ、貴方達に言っても関わりのない事ですがね」
「...それはクロエの意識か?」
「はい?」
ノーディの言葉を聞いて、レイヤは刀の柄を強く握る。
「意思?それは知りません。まぁ、見た感じクロエ姫は乗る気はなかった様ですがね」
「なら、何故クロエはその結婚を応じた?」
「もしかしてクロエ姫の関係者なのかしら?なら、どうせ死ぬから特別に教えてあげますわよ。クロエ姫は家族を人質にされ、仕方なく結婚を承諾したのですわ。本当、可哀想ですわ。同情はします...でも、不思議ですわ?こんな美しい私がいるのに、何故クロエ姫なんでしょうね?」
「家族を人質か...なるほど、話は見えてきた」
クロエがお金を集めてた理由、クロエが離れる際、王様との約束の会話、そしてクロエが自由になると言う言葉を思い出す。
「そうか。俺はよ、ソイツの大切なモノで脅し、自由を奪いって言う人間が大嫌いなんだ。だから、お前ら死んでくれ」
「...?!」
「お見事!」
ノーディの身体には一本の刀の切り傷が開く。
いつ斬られたのか、いつレイヤは鞘から刀を抜いたのか見えなかった。だが、ガイアとガルドーザは少しばかり目で捉えて居た。その凄まじいスピードはガンドーザは関心する。
「そうか、そうだったのか。やっぱり、そう言う人間は世の中から消える事はねぇんだな」
「なら、どうする?レイジーよ。ここは我達に任せて、汝の娘を救い出すか?」
「...ここを頼めるか?」
「我達の実力に気付いているのだろう?一国の兵力なんぞ、我らとって敵ではない」
「そうか。助かる」
レイヤは空に飛び、城に向かって行った。
その姿を見て居たガイアは言葉を発する。
「フハハハハ!なんて戦闘能力なんだ。あの人間、面白い!俺の好敵手にしたい!奴から出た殺意は、俺の野性の勘を震えただした!アイツと一戦混じり合いたいモノだ」
「ほーう、ガイアが惚れ込むか。まぁ、その気持ちは分かる」
「賊はここに居たぞ!!囲め!!」
すると2人を数千近くの兵で、槍を向けて囲んだ。ガイアはレイヤと言う、人間にあった事にテンションが上がりローブを投げ捨てた。ガイアの顔を見た兵士達は手を震えだす。
「お、お前は...そ、その顔、いやその見た目は!!懸賞金6億7千万Gの暴牛王ガイア!!」
その見た目は人間からかけ離れた存在だった、
ガイアの正体は人型の牛、ミノタウロスの魔獣だったのだ。ガイアは特殊な個体で知性が人間以上を備えている。ガンドーザとガイアは、数千の兵量なんぞ怯える事はなく、倒しに向かうのだった。そしてレイヤは空から飛んで、城を見渡して居た。城の中から、1番騒がしい場所を見つけ出し窓を割って乗り込む。
「あ?お前は?」
...そこに居たのはパンダの頭の着ぐるみを着た男が立って居た
「...」
パンダはいきなりレイヤを襲いパンチを放つ。レイヤは腕で防ぐのだ。そして反撃でレイヤはパンダを蹴り飛ばす。
「...強い。これなら...」
そしてパンダはレイヤにクイクイと指で来いとジェスチャーするのであった。レイヤはその煽りに乗り、距離を取るパンダについて行くのだ。
そして時は遡り、クロエは綺麗な白いウェディングドレスを着て居た。
「わぁ、クロエ姫!お美しいです!」
「...うん、ありがとう」
「(大丈夫、あれはレイヤ達じゃない。ボクから切り捨てたんだ、こんなボクの為に来るわけがない...)」
「おお!なんて麗しゅう。我花嫁よ」
会場に案内されると、拍手される貴族達と真ん中に偉そうに座るマクラは嬉しそうに両手を広げて居た。
「いや、まさかこの俺様の結婚を認めてくれるなんて、とうとう俺様の魅力に気付いたか。さぁ、来た前」
マクラは横の椅子にトントンと来る様に合図をする。そしてクロエはマクラの横に座り、マクラの腕が自分の肩に置く。
「今宵は結婚と言う晴れ舞台だ。存分に羽を伸ばすといい」
「国王様!誓いのキスは?!」
「おーう、そうだったな。結婚式とはそう言うのが必要だったな。なら、クロエよこちらを向くと良い」
マクラはクロエの顎をクイっと上げて、自分の唇びるに近づこうとする。クロエは目を瞑り震えるのだった。
「(こ、こんな奴と嫌だ...)」
「ほーう、泣くほど嬉しいのか?」
「お、お前なんかと結婚したくない。ボクはレイヤが良い!」
「...レイヤ?それはどこの男だ?」
「五月蝿い!!」
「そうか。まだ、自分の立場が分かって居ない様だな。少しお仕置きが必要だな」
マクラは鋭い瞳でクロエを睨む。
マクラは近くにいた騎士から木の棒を受け取る。
「俺様は悲しいよ。この手で花嫁を傷つけるなんて」
「...レイヤ、助けて」
そんな願いは叶う事がないと分かってたのに、クロエはレイヤの顔が頭によぎった。
そして、棒が自分に降りかかる瞬間、クロエは目を瞑り、封印して居た自分の気持ちを吐いてしまった。
その時、会場のドアが爆発し、そこから現れたのは倒れるパンダだった。そして煙の中に現れるのはレイヤ。
「...クロエ、それが本当に意思なんだな。分かった、ここから助けてやる」
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