無限大の超能力者はダンジョンを攻略する

仮実谷 望

1話 重さを自由に操れる

 ある日自分の体が軽くなった。


 自分はデブのほうだがなんか体が軽い。


 重いのは嫌だと思ったら、重くなくなった。


 重さを操ることができるようになったのか?


 思井増太郎(おもいますたろう)年齢15歳、高校一年生だがマスターと呼ばれている。


 ますたろうだからマスターなんて普通過ぎる。


 重さを自由に操れるとかチートかなって思うが俺の勘違いもある。


 一応体重をもう一度量る。


 70.5キロ。


 確かに昨日は90キロぐらいだったのに……


 一夜で20キロ減ってるのはいくらなんでもおかしい。


 しかも体系も若干引き締まっている。


 一夜でデブからフォーマルな体系になっているなんて。


 ただのダイエットに成功しただけか?


 だが可笑しいことはまだある。


 お米を持った時に異常に軽くなったり、重くしたりできていた。


 本来の重さより重いようにもできた。


 これは能力確定か……


 俺はこの能力をどう活用するか迷っていた。


 どんな重いものでも持てるのがメリットならどんな軽いものでも重くできるとかも凄そうだ。


 異能力バトルが始まってしまうのなら鍛えないといけないかもしれない。


 だが学校に行きたいが新学期が始まって俺はぼっちになってしまったのだ。


 この能力をばらせばもしかしたら人気物になれるかもしれない。


 だが次の日、驚愕の事実が判明する。



 次の日、高校ではみんなががやがやしていた。


 クラスのカースト上位生の美嶋夢さんがちやほやされていた。


 ユメさんはとっても美人で勉強もできるしかも将棋部の新星と呼ばれている。


 なんでか誰も彼女に勝てないとか。


 どうしてそんなに将棋が強いのか不明らしい。


 マスター君マスター君


 なんか隣が五月蠅い。


「マスター君こんにちは」


「あぁ……で照美さんこんにちは」


「マスター君なんか痩せた? 凄くかっこよくなってるよ」


「うんそうだねダイエット成功したんだ」


「羨ましい私も頑張る」


 この人は通称デブ美さん。本名は山咲照美さん。


 ただ俺を超えるデブでどうしても心の中でデブ美さんと呼んでしまう。


 100キロは超えてるよな、でもダイエットしたら可愛い部類に入るかも。


 テルミさんがダイエット成功したら付き合ってほしいとせがまれている。


 そして今日は普段通りの授業を受けて帰ろうとしていた。


 ユメさんが話しかけてきた。


「思井くんだっけ? 今日一緒に帰らない?」


「ええ僕とですか!?」


「ええいいでしょ」


「いいんですけど……」


 周りの視線がきつい。


 クラスカースト上位のユメさんとクラスカースト下位の僕とでは立場が違う。


 だが夢さんは僕を引っ張って帰ることにしたようだ。


 帰り道ではソフトクリームを買ってもらった。


 まさかの女の子に奢られるの巻である。


 でも夢さんはそんなことも気にせずに僕に興味を持ってくれた。


 これはダイエット効果もとい体重操作効果だろうか?


 だがユメさんは興味深そうに僕に問いかけた。


「増太郎君はいつからその体重操作を?」


「どうして知ってる」


「さあそれはね私相手の心を読めるの」


「超能力者君も?」


「そういうことねでも増えているわよもう一人知り合いがいるの増太郎君と一緒で私の弟が唯一の超能力者だよ、来てみる? 私の家に?」


 いきなりお呼ばれですか最高です。僕は最高の日が送れそうだとこの時は思っていた。

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