神喰いのヨル
鳴沢 梓
序章
零
あの日、僕の故郷は水の底に沈んだ。
神が下す審判、皆それを『災厄』と呼ぶ。
そんな災厄から守られて生きてきた僕らは、まさかこんな事になるとは到底思ってもみなかった。
生き残ってしまった。
あの大きな壁のような津波から、なぜ生き延びられたのだろうか。
まだ、悲鳴と号哭がこだましている。
僕は、繋いだ手を最後まで掴みきれなかった。
あの暖かい手のひらには、もうずっと触れていない。
もう触れることも無いだろう。
信じた《神》も、集う《願い》も、希望も正気も失くした。
そんな国で、僕は
行き場の無い魂を喰らう。
__今日も、『神喰い』の夜が始まる。
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