第6話

「遅い、遅い」

肇(はじま)喜一がやってきた。

肇は明日香の恋人だったが、二人の仲は

秘密でマスコミも嗅ぎつけていなかった。

「ごめん、ごめん。マスコミや週刊誌

に知られないようにするのに苦労して」

肇自身も超人気アイドルグループ(スリークォーターズ)の

中心メンバーで明日香とは決死の覚悟でつきあっていた。

「肇、あたしのこと愛してるっていって」

「なんだよ、突然」

「お願い、愛してるって言ってキスして」

「オイオイ」

「お願い」

明日香が懇願した。

「わかった。わかったよ」

肇が苦笑いしながら、明日香を抱き寄せ

キスをした。

明日香がそっと目を開け、近くで隠れて

二人の動画を撮っていた太鳳に指で

OKサインを送った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る