第4話

「甲坂さん」

ある日明日香が甲坂に事務所で

相談をした。

「わたしどうしたらいいかわからなくて」

明日香が頭を抱えた。

「明日香はどうしたい」

甲坂が机の上で手を組みながら、

たずねた。

「わたしは」

「うん」

「ファンが私から離れることに耐えられません」

「だから?」

甲坂はある種の決断を明日香に迫っているようだった。

「わたしは自分のプライベートをすべて

ファンにさらけ出します」

「そうか」

甲坂は納得と諦めが入り混じったような

複雑な表情を顔に浮かべた。

「オマエがそれでいいと思うなら

やってみろ。止めはせん」

「ありがとうございます」

明日香が甲坂に深く腰を折ってお辞儀をした。

「また、追って経過をご報告します。それじゃあ」

明日香が事務所を出て行った。

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