第3話

 2月11日 - KDDI(auブランド)の通信設備(電気設備)の故障により、スマートフォンを中心とした携帯電話の一部機種で一時通信障害が発生、全国で最大約615万台に影響。


 午後8時、菜奈はVIERAで火曜日9時にフジテレビでやってる竹内結子主演のミステリードラマ『ストロベリーナイト』を見ていた。   

 

 同じ頃、清水区東ブロックの辻一丁目にある豪邸で高利貸しの北原史郎が殺された。北原は鈴木一真に似ている。死因は背後から心臓に達する刺傷だった。警察は現場に遺留されていた凶器である刃渡り六寸の短刀に残された指紋、死体を発見した北原の妻である千代子・運転手の西崎・北原と将棋をしていた日村らの証言から、学習塾『秀明会』を経営する宮川功が、北原と対座しているうちに口論となり、右脇腹を刺し、逃げようとする北原を羽交い絞めにして刺したと見立て、北原を指名手配したと発表。ほどなくして逮捕されるが、静岡県警のベテラン刑事、竜崎勇(世良公則似)の取り調べに対し北原は脇腹を刺したことは認めるものの、背中を刺していないと頑なに否認し続ける。週刊イレブンの社会部記者・祇園治郎と備後梅子は、捜査とは別に真相を探り出し、特ダネにしようと関係者を取材し始めた。

 🔖5人死亡

 

 2月12日

 中央防波堤外側埋立地と若洲を繋ぐ東京ゲートブリッジが開通。

 2012年宜野湾市長選挙で佐喜眞淳が当選。


 菜奈は逮捕された宮川はどことなく反町隆史に似てるなと思った。『GTO』は高校生時代にメチャクチャ流行った。

 

 2月14日 - 野田首相、内閣に東日本大震災総括担当大臣を新設、平野達男復興担当大臣を兼務で任命。


 2月16日 - オリンパスによる粉飾決算事件で、菊川剛前社長ら旧経営陣3人と指南役とされる4人を金融商品取引法違反で逮捕。


 2月18日 - 東京大学医学部附属病院で、明仁天皇の狭心症治療のための心臓の冠動脈バイパス手術施術。


 大衆向けロマンス小説『清水ラブストーリー』の作者である流行作家の楠木恒夫は、最終作に続く新作を書き上げた後、雪道で自動車事故に遭って瀕死の重傷を負ってしまう。楠木は滝田栄に似ていた。

 そんな彼を助けたのは、楠木の『清水ラブストーリー』の熱狂的な愛読者と称する女性、沼田冬子だった。冬子は知念里奈に似ていた。  

 元看護婦だという彼女は両足を骨折した楠木を献身的に介護するが、看病と言いつつ楠木を帰さない冬子は、次第にその狂気の片鱗を覗かせ始める。


 そんな時、楠木が書き上げたばかりの『清水ラブストーリー』の最新作の原稿を見た冬子は、通り魔に銃で撃たれてヒロイン、睦月が死んでしまうという結末に納得できないという理由で、原稿を燃やす事を強要してくる。新作を灰にされた楠木は、彼女の狂気に気づいて命の危険を感じたことから、決死の脱出を試みる。


 車椅子を用意して、タバコを買ってきた冬子は、「睦月を生き返らせろ」と強要してくる。「腕が痛い」と説明すると、再び激昂して冬子はビールを買いに出かけた。その隙を狙って、冬子が落としたヘアピンで、部屋の鍵を開けて脱出を試みるが、電話線すら繋がっていなかったため、鎮痛剤を少しだけ盗んで急いで部屋に戻る。


 一方、静岡県警も加わっての楠木の捜索は、楠木の車が雪の中から見つかったことで終了してしまう。しかし、車のドアの傷を見た遊佐刑事(津田寛治似)は、楠木の生存を確信していた。

 楠木が書いた小説はことごとく冬子に却下されてしまうが、ようやく冬子が納得できる『清水ラブストーリー』の執筆が始まった。楠木は溜めていた鎮痛剤の粉を冬子のワインに入れ、脱出の計画を立てていたが、冬子はワインをこぼしてしまった。

やがて楠木の足の怪我も快方に向かい、小説も完成間近だと知る冬子は、楠木の逃走を警戒する。彼女が買い物に出かけた隙に家探ししていた楠木は、冬子のアルバムを発見するが、冬子の周囲の人々は常に謎の死を遂げており、老婆の殺人容疑で逮捕歴があったことも知る。

    

 ナイフを盗んだ楠木は、殺される前に殺す決意を固めた。だが真夜中に楠木は、冬子に注射を打たれて気を失ってしまう。家具の位置が動いていたことで、楠木が部屋から出ていたことがバレてしまったのだ。冬子は楠木の逃走手段を断つべく、彼の両足を金槌で粉砕してしまう。


 清水区宮代町で冬子を見かけた遊佐は冬子の過去を調べ上げ、彼女が『清水ラブストーリー』のファンだという事に気付く。聞き込みで冬子が酒やタバコを買っていた事を知り、冬子の家に向かった。危険を察した冬子は、楠木を薬で朦朧とさせて地下に隠す。冬子は何食わぬ顔で遊佐を迎え入れ、自分が楠木の跡を継ぐために小説を書いていると話し、手がかりを入手できなかった遊佐は冬子の家を後にした。


 その直後、目を覚ました楠木は助けを求めるが、冬子はそれに気付いた遊佐を射殺し、楠木に心中を強要する。しかし楠木は、その前に『清水ラブストーリー』を完成させようと言い包める。

 その後、冬子に完成祝いの準備をさせた楠木は、「清水ラブストーリーを書き上げた」と告げた。直後、冬子の目の前で原稿を燃やしてしまう。狂ったように暴れまわる冬子との激しい乱闘の末、彼女の息の根を止めた楠木は、辛くも九死に一生を得る。

 🔖6人死亡

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