1月2日 【書き初め】

1月2日 【書き初め】




「ん?書き初めですか恭介君?」


「ああ。『一病息災』」


「……意味分かって書いてるんですか?」


「当たり前だろ。病気もなく健康な人よりも、一つぐらい持病があるほうが健康に気を配り、かえって長生きするということ。ちなみに「息災」は健康であること、身にさわりのないことだろ?オレだってそこまでバカじゃないし」


「そうですか。ちなみに書き初めは初めて書や絵をかく行事。書き初めで書いたものを左義長で燃やし、その炎が高く上がると字が上達すると言われているんです。だから書く文字はあまり関係ないですよ?」


「お前、夢のないこと言うなよ」


「それにしても『一病息災』……あー頭が悪いからですか納得です」


「なんだって!」


「私なら『無事息災』か『無病息災』と書きますけどね?」


「え?」


「うんうん。恭介君は長生きできますよ。良かったですね?」


「……なんか頭が痛くなってきた」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る