【059】恋に殉じることさえ許されぬ、籠の鳥が見たものは――悲恋の先の物語
主人公は伯爵令嬢ですが、流行の「悪役令嬢もの」はいったん忘れてください。
このお話は、許されぬ恋に苦しむ令嬢と女料理人の物語です。
身分違いに加えて同性、どうあがいても実ることはない儚い恋。さらに令嬢は、親子ほども歳の離れた辺境伯へと嫁ぐことが決まっています。引き裂かれることが決まった悲恋なのです。
令嬢の嘆きに応え、女料理人は一計を案じますが――それが何なのかは、本レビューでは触れません。
しかしその計らいは、更なる悲劇を生みます。
悲恋は、叶うことなく終わります。嫁ぎ先で孤立した令嬢をひとり残して。
……ですが、彼女は不幸なのでしょうか?
恋に殉じることができなかった彼女に、救いはなにもないのでしょうか?
本作は間違いなく悲劇の物語です。
ですが、読後感は決して暗くはない……とだけ、申し上げておきましょう。
百合に百合以外の要素を持ち込まれたくない、という方には、本作は不向きかもしれません。
ですが、様々な愛のかたち――「恋愛」にかぎらない愛に触れたい、という方には、お勧めいたします。
恋を失っても、人は、生きていかねばならないのですから。
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