【052】だれもが知っている、だれも知らないこと
※ネタバレ注意※
山間の里に、雲が切れて日差しが差し込もうとしている。
そんなありふれた日常に戦慄する者はいるだろうか?――いるのだ。その小さな集落では、物心つかない赤子をのぞき、だれもが季節の変わり目を恐れ厭う。そのわけは……
暮らしの節目が、生死を分ける。折々の祭事のたびに恐怖に支配される人々の、これはパニックものだろうか? ホラーだろうか? 穏やかな日常と祝祭日との落差に震える作品だ。
穏やかな日々の暮らしが温かく、ほろりと涙するヒューマンドラマ。それが一転、惨劇の舞台になろうとは、だれが思うだろう。
追われて逃げ惑い、だまし騙される生死をかけたリアル鬼ごっこは、絶望感にたたき落とされる。これで年齢制限ナシとか、どういうこと!?
クライマックスの祭日の日が、禍々しいことこの上ない。――ラストシーンで戻ってくる日常ももはや字面通りには読めない有様に成り果てた。
リアルを見る目も変わりそうなほど情感を揺さぶるこの作品は、一度読んでおく価値がある。けれども、祭日の前にはお勧めしない。……絶対に。
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