【039】気づけば街中でロールアップを見ている自分がいました!
今まで、こんなにもズボン裾に注目したミステリーがあったでしょうか。
自他ともに認めるロールアップマニアな主人公が、ひょんなことから探偵事務所のぐうたら電話係に目を付けられて事件を解決していく(させられていく)連作短編形式の本作。
変態的なズボン裾語りだけでももう面白いのですが、なんといっても注目すべきは、主人公のその語りから事件の真相が紐解かれていく展開でしょう。犯人と被害者の切ない恋模様が、反社会組織による陰謀が、ロールアップから露わにされてしまう設定力・文章力は圧巻のひとことです。
――裾の折り返し方を見ればその人の身長がわかる。趣味嗜好がわかる。
ここで「いやわざわざズボン裾を見ずともわかるだろう」と思ってしまった皆さん、甘いですよ。
ズボン裾だからこそわかる、人間のドラマというものがあるのです。私は理解しました。させられました。そういう意味で、説得力のある物語だなとも思います。
あと、ここぞというときに限ってスカートで登場する人物に対して、主人公とぐうたら電話係が嘆くお決まりの場面が大好きです。
ロールアップに対する印象ががらりと変わりました。皆さんも是非読んでみてくださいね。
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