あめの日
和よらぎ ゆらね
第一話 雨の日
──冷たい雨の降る日だった。
いつもより早く流れ、白いしぶきをあげている川を雨に濡れながら眺めていた。
ぼくが生まれてからの十八年間。晴れた日は何日くらいあったのだろうか。
人間とは死ぬ直前にくだらないことを考えるものだな、と少し笑ってしまった。
さて、寒くなってきたな……。そろそろ、行くか。
ぼくは川に飛び込んだ。
ぴちょん……ぴちょん……。
水の音で目を覚ます。誰かが話している声が聞こえてくる。
周りを見渡してみるが暗闇が広がっているだけで何も見えない。
ここはどこなのだろう。
天国か……地獄か……はたまた、異世界か何かだろうか。
遠くからかすかに聞こえてくる声にぼくは耳を澄ます。
「───待っててね。ぼくが助ける。君には、ぼくしかいないから……」
直後、ぼくの意識は闇の中に吸い込まれていった。
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