第3話 休日
ねぇ...なんでしんじてくれないの?」
「ねぇ...なんでおしえてくれないの?」
かすれた声が聞こえる。
その声は小さいはずなのにはっきりと聞こえる。
真っ白で独りぼっち。
「ぼくがわるいの?」
いや、きみは悪くないよ。
「□□、ぼくはわるくないの」
うん、悪くない。
ゆらりとしているひとかげは優しくそして少年の味方として
「じゃあ...」
僕は、一人暮らしだ。
平日であれば学校から帰って一人でスーパーのお弁当を食べ、休日であれば一人でただ本を読んで過ごす。
父は出張で家を空けることが多く、母親は父と離婚している。
父は仕事人な為、家に帰ってくるのは半年に一回あればいい方、帰ってきたとしても学校の成績の話しかせず、それ以外では僕とはあまり話さない。
そのため、基本家には一人しかいない。
それに父はきっと僕のことが嫌いだ。
別に僕はそれに何か思うことがあるっていうわけじゃない。
むしろ、正しい考えだと僕は思う。
ピンポーンと家のインターフォンがなったのは時計の針が11時に差し掛かったころだ。
「はい、少しお待ちください」
インターフォンのマイクからそう声をかけて玄関の方へ向かう。
扉を開ければ、クロハヤ宅急便の配達員さんが段ボール箱を持って笑顔で待っていた。
「こちら、お届け物です。」
「ありがとうございます。」
そういって段ボール箱を受け取る。
その段ボール箱は見た目に反して重く落としてしまいそうになった。
「えっと...こちらの方にサインと印鑑をお願いします。」
配達員さんの言う通りに印鑑とサインをする。
「ありがとうございます、それでは」
そういって、配達用のトラックに乗って走り去ってしまった。
僕はただ聞こえる声と共に家に戻る。
「夢なんて久しぶりだよ」
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