第45話 共闘 ③
エレベーターを降りて、暫し通路を歩き案内された玄関ドアをくぐる。
駅前商業施設が入っている複合ビルの上層階の居住区画。
タワーマンション程では無いものの、高級感のある造りに圧倒されそう。
ワンルームよりもかなり広い部屋に入ると、乱雑に干された派手な下着が真っ先に目に入る。
ベッドにも、脱ぎ散らかされた洋服が重なったままで。
そうか、こうやって真成君をお誘いしたのか。参考になるかな?
「さて、義妹さんが来るってどういう状況かしら?」
勧められたソファに腰掛けるなり、いきなり本題ですか?
「お泊まりに来る予定で、駅前のビジホのツインルーム押さえてあるそうよ。そこで別れ話をする事になるから、多分、真成君もお泊まりになるだろうって。」
「………それで、貴方はどうしたいのかしら?」
「復縁になる事を阻止したいから、協力者が欲しいの。」
「それで、私と話をしたかったと?」
「そう。」
「………放っておきましょう?」
「………えっ?!」
「何もしないほうが、良いわね。こうゆうときは、障害が有れば有る程二人は燃え上るものよ?」
「………そんな………恋愛小説じゃぁ無いんだから………」
「それに、義妹さんが何をしに来るのか、まだ何も解らないんでしょう?案外、観光に来てるだけかもしれないしね。
もし、朝帰りになったらその時はその時でまた考えれば良いのよ。
私達は、これから4年間ずうっと真成君と一緒に居られるんだから直ぐに挽回出来るでしょうしね?」
「………………………………」
「間違っても、真成君と義妹さんが『マッタリと』しているであろうビジホに突撃なんかしないようにね?」
「………………………………」
「なんて顔をしてるのよ?本当に『突撃』するつもりだったのかしら?
今は貴方が一番有利なんだからね。私からすれば、貴方はほんっとに羨ましいんだからね。同棲代わって欲しい位だわ。」
「………………………………」
「私は在学中は真成君を独占するつもりは無いし、貴方と敵対するつもりも無いから安心してもらって良いわよ。
それに、選ぶのは真成君だしね。
どんな結果になっても後悔しない自信は有るしね。
あっごめんなさいね、お茶も出さないで話し始めて。直ぐに用意するわね。冷たいので良いわよね?」
「あっ、はいっ………………」
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