第2話

 2010年5月

 右近は前橋市にやって来た。

 関東平野の北西端、赤城山南麓に位置する。市内には利根川、広瀬川などが流れる。伏流水による水質の良さで知られ、中心部で供給される水道水は、その地下水である。又、全国の都道府県庁所在地では海から最も遠い。鉄道交通では中心駅の前橋駅が両毛線にあり、幹線(北陸新幹線・上越新幹線および高崎線)から外れているため、隣の高崎市にある高崎駅が前橋市への中継点の役割を果たしている。


 また、海岸より100km以上離れた内陸に位置するにもかかわらず、市の中央部から南部にかけては海抜が100m前後と低い。また、市の北部には海抜1000m以上の地点も存在し、富士見町赤城山の黒檜山南面では海抜1823mの地点がある一方、下阿内町の利根川河川敷では海抜64mの地点もあり、市内で標高差が1759mもある。


 列車は前橋駅に辿り着いた。

 群馬県の県庁所在地・前橋市の代表駅である。ただし、新幹線や高崎線など複数の在来線が集積する高崎駅が県内最大のターミナル駅として機能している。また、前橋市の代表駅であるが上毛電気鉄道の上毛線中央前橋駅の方が中心市街地や市役所、県庁などに近い。


 当駅を発着する上り列車の多くは高崎駅を終点とするが、一部列車は高崎から高崎線に直通し上野駅あるいはその先東京駅経由で東海道線の各終着駅まで直通する(上野東京ライン)。普通列車に加えて、「快速アーバン」も当駅まで乗り入れている。また、高崎線から新宿駅経由で東海道線へ直通する湘南新宿ラインも朝に南行列車と夜に北行列車がそれぞれ数本が当駅まで乗り入れており、湘南新宿ライン快速として高崎線を経由し東海道線の平塚駅・国府津駅・小田原駅まで直通する。上野東京ラインは熱海駅の他に平塚止まりの列車が設定されている。この為、高崎線の大宮駅以北の下りホームでは方面案内に当駅が含まれている(例「熊谷・高崎・前橋方面」)。


 下り列車は多くが両毛線の伊勢崎駅・桐生駅・小山駅までの運行である。小山から宇都宮線(東北本線)へ直通し宇都宮駅まで直通する列車も1日1往復設定されていたが、2019年3月16日のダイヤ改正で廃止、高崎駅 - 小山駅間に変更された。


 特別料金が必要な列車では、特急「あかぎ」・「スワローあかぎ」が1950年に快速列車として運行を開始した当初から乗り入れており、のちに準急、急行、特急と格上げされ運行されていたが、2021年3月13日のダイヤ改正にて高崎駅 - 当駅間が廃止となり、当駅への特急列車の乗り入れがなくなった[3]。このためJR線上にある都道府県所在地の代表駅としては、奈良駅と並び定期優等列車の発着が無い駅となっている。

 

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