第137話 第2章 ⭐エンディング⭐
ポカポカと暖かい昼下がり。
家の庭で二人の子供が遊んでいる。
スコップで砂をすくい山を作っている。
それをリビングから眺めている二人の後ろ姿がある。
1人の子供がこっちを見て大きな声で呼ぶ。
『ちちー!こっちきて、てちゅだってぇー』
もう1人の子供も真似をする。
『ちちー!てちゅだってぇー』
『もうそろそろお片付けの時間だよ!』
『ちょっとだけー』
『ちょこっとだけぇー』
『ちょっとだけだよ!』
父親は二人の子供の元へいく。
『うーん、ちょこっとだけぇ。』
と子供達は嬉しそうだ。
母親は優しく見守っていた。
そして、おやつの準備をする。
あれから4年が過ぎた。
『音ー、詩ー、陽ー、おやつできたよー!』
ホットケーキの甘い香りがする。
『おっ、いい匂いがしてきたぞー!!!
おやつの時間だねー!お片付けして。
音、詩、そろそろお部屋に入ろ!』
『はぁい。』
『はぁい。』
『ちちー!抱っこー』
『ちちー!あたちも抱っこー』
『よーし!おいで!』
陽が両腕でふたりの子供を抱える。
碧はリビングでホットケーキをテーブルに並べる。
『はい、手を洗って下さいね!』
『よーし、手を洗お!あっちに行くよー!』
と、お風呂の方へと連れて行った。
『お風呂だー』
『おふりょだー』
『お風呂はまだあとでだよー。』
『そだ、おやつ食べなきゃ!』
『そだ、おやちゅ食べなきゃ!』
『にゃははは』
リビングに笑顔が溢れている。
太陽の光は優しく部屋に差し込み、4人の笑い声を照らしていた。
おやつを食べ終わった音と詩は遊び疲れて眠っている。
陽はふたりを優しく見つめながらブランケットをそっとかけてあげる。
柔らかい髪の毛をそーっと撫でる。
洗い物を終えた碧もソファーに座ってそれを眺めていた。
『陽、コーヒーでも飲む?』
『ん、今はいいや。』
と、ごろんと碧に膝枕をしてもらう。
『なぁに?』
碧は笑う。
『はぁーー、幸せ』
『ん。そだね。』
『音も詩も、碧に似てて可愛いし。』
『陽にも似てるような気がするけどなぁ。』
『俺に似てたらポンコツだから困るって、前に親から言われたなぁーーー』
『にゃはははははは!!!』
『碧、笑いすぎじゃね?』
『足がもつれてよく転ぶところは、多分私に似ちゃったと思うよ!』
『にゃははははは!』
棚に並ぶたくさんのCDやDVD。
写真集やサイン。
笑顔が溢れる結婚式の綺麗な写真。
音を抱いて泣いている陽、詩も増えて嬉しそうな陽。
家族みんなで撮った写真達が並んでいる。
ここはHARUが陽に戻れる幸せな場所。
家族が増えて新しく引っ越しをした家。
ふたりが選んだのは、今までと同じように。
夕陽の綺麗な部屋だ。
FIN
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