第74話 ⭐決定!⭐

事務所で松崎さんがみんなを集めた。


『この5人全員で活動してもらおうと思う。海人と陽がボーカルメインで。もちろん、メンバー全員が歌うし踊る!どうだろう?』


突然なので、メンバー同士で顔を見合せる。

(ん?)(へっ?)(5人!)(全員?)(んーーーー)


そして、

『やったぁー!』

『マジで?!』

『デビューできるって事ですか?』

みんなで跳び跳ねて喜んだ。



『そうだよ!グループの名前は。。。』


メンバーは息を止めた。


『B/ ビースラッシュ』

『B/?』

『そう、B/。Aの段階を目指して選択されたもの。これから、どんどん上を目指していくんだよ!』


『うひょー、かっけぇ!』

『やったぁー!がんばるぞー!』

『頂点にいったら、Aになるんすか?』

『何で名前変えるんだよ!』

『あっひゃははははは!』


『記念に写真撮るか!ほら、並んでー』


(はい、撮りまーす!)

パシャリ!

5人は肩を組んで笑顔で写真を撮った。

B/として、陽の夢は動き始めた。


『これから、忙しくなるからなー!』

『はいっ、ありがとうございます!』

『やったよぉー!』

『これから本格的によろしくな!』

『皆、ダンスとか教えてくれる?』

『頑張ろうぜ!!!』

『B/かぁー、かっけぇーーー!!』


陽は碧が作ってくれたオムライスを思い出していた。ケチャップで書かれた文字に"B"ってあったなぁ。。。。。

『じゃあ、今日は解散!明日からビシバシいくぞ!あと、仕事や学校の都合を家族と相談しておくように。今まで通りのリズムの生活はできなくなるからな!』

『陽!』

『はい。』

『彼女、大丈夫か?彼女がいるメンバーもいるけれど、陽のところは、一緒に住んでるだろ?。人気商売だからな。伏せておくとか。。。ま、わかるだろ?芸能界は色々あるから。』

『。。家族をもっていてはダメですか?』

『考えておいてほしい。彼女とちゃんと話をして。今からが大事な時なんだよ!』

『はい。』


(碧も子供も大事なんだよ。このままの俺でデビュー出来ないのか?)

陽は目の前にある夢と現実の間に閉じ込められたようだった。

でも、俺の夢が叶う時、何かを犠牲にしなければならない。。。

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