第6話 ⭐教室2⭐
「神﨑碧」
「……はい」
(神﨑碧っていうんだ。)
陽は少し恥ずかしそうにうつ向く碧をチラリと見た。皆の笑い声で、ますます背中を丸めてしまい、耳が赤くなっている。
出席は進んでいく。
「桜木陽」
「……はァい」
(ダルいよな、こうゆうの。)
陽も、こういう空気はあまり好きではない。
ふと横を向くと碧と目が合った。
ん? と少し微笑んで見たが、碧はまたうつ向いてしまった。
(何でだろう??)
出席を取り終えた先生は、何やら色々とこれからの学校生活について説明をしている。授業の進め方や、選択科目の話。掃除当番や日直は交代でまわってくるだとか……。ホームルームでは、クラス委員を決めるらしい。
陽が興味を持ったのは部活紹介があるという内容だけだった。せめて部活くらいは頑張るか!
勉強はあまり好きじゃないし、食べるのは好きだし。
体でも動かすかー!
陽はグランドに咲いている桜の花を見ていた。碧よりも長い足の置き場を探しながら、落ち着きがなく動かしている。
開け放った窓から、柔らかな風が入ってきた。
新しい季節が始まったな。
少しでも楽しくなるといいんだけど。
俺も、隣の神﨑さんも……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます