第2話 ⭐神﨑 《かんざき》 碧《あお》⭐
新しいシャツを着る。ブルーのチェックのスカートをはき、同じブルーのチェックのリボンを襟元で結んだ。そして、紺色のジャケットを羽織る。
鏡の前でくるりと一周まわってみる。 そして唇には、ほんのりと色がつくリップクリームを塗る。
(よしっ!)
碧は新しい鞄を肩にかけて、階段を降りた。
「碧、お昼ご飯作って置いてあるからね!」
と言って、母親は嬉しそうに碧を見つめた。
「入学おめでとう!」
「ありがとう!」
碧も笑顔で答えた。
「じゃ、行ってきます!」
「いってらっしゃい!」
碧は新しい靴を履き、玄関を開けた。
(あー気持ちいい風!)
碧の家の前には道があり、桜の木が道なりに植えてある。桜の花は満開で、時折花びらが柔らかい風に吹かれて枚散る四月。
碧は今日から高校生になる。これから始まる高校生活。少しの不安を抱えてのスタートだ。
初めての電車通学。時計を見た碧は(やばっ)と少し駆け足で駅へと向かった。
入学早々に遅刻なんて恥ずかしい事は出来ない!!
碧は身長172センチ。
運動ができそうに見えるのだが、実は運動が苦手。
ドッジボールは一番に当てられ、バレーボールは頭で受ける。バスケットのドリブルなんて、手と足の動かし方もわからなくてボールに弄ばれる。
もちろん徒競走は最下位だ。
幼い頃から背が高い事がコンプレックスで気付けばいつも猫背だった。
(急がないと!)
どんくさい足を動かしてドタドタと必死で走り、駅へと向かっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます