第24話 いざ、首都ユナハへ!

 僕が目を覚ますと、ベッドの上に寝かされていた。

 部屋にある時計は六時を指している。

 昨日のことは、男湯にシャルたちが乱入してきて、その後、彼女たちと話しをしていた時に、湯舟に浮かぶ彼女たちの膨らみが見えてうろたえたところまでしか記憶がない。


 「おはようございます」


 「おはよう」


 アンさんは、僕が起きたことを確認すると、お茶を入れてくれる。


 「昨日は、闘技試合に報告会、そして、ワイバーン騒ぎがあったので、疲れていたのでしょう。湯船でのぼせて、おぼれかけたそうです。シャル様たちがいなければ危なかったのですよ。気を付けて下さい」


 その原因はシャルたちなんだけど、アンさんにも知られていることが恥ずかしい。


 「うん、今度からは気を付けるよ」


 そもそも、シャルたちが、男湯に乗り込んでこなければ、のぼせなかったんだ……。

 どこかやるせない気持ちが残る。


 「今日は、ワイバーンに乗って、首都ユナハまで向かう予定です。着けないと判断した時は、手前のアルム市で宿泊します」


 「うん、分かった」


 僕がすぐに支度を始めると、アンさんが手伝ってくれる。

 毎回、着替えさせてもらっているせいか、恥ずかしさを感じない。

 おそらく、感覚が慣らされてきているのだろう。


 「そう言えば、昨日の浴場では、シャルたちに側仕えの人たちが付いていなかった気がするけど?」


 「……さすがに、あれでは側仕えも引きます。シャル様たちもそれを察して、自分たちで済ませるからと断っていました」


 彼女の言葉を聞いて、すぐに納得した。


 「では、行きましょうか」


 「うん」


 リュックを背負うと、相変わらず重い……。




 僕は部屋を出ると、アンさんの後ろに付いて行く。

 城内を自由に動けたこともあって、ここには二日しかいなかったのに、カーディア城よりも居心地が良かった。

 いざ、離れると思うと少し寂しい気がする。


 僕は廊下を歩きながら、気持ちを切り替えていく。

 この先は、ユナハに着けば一区切りがつくけど、ウルス聖教国にも行かなければならない。

 まだまだ、やることは山ほどありそうだ。

 ファルマティスに来てから、二週間くらいしか経っていないというのに、長い間いる気がする。


 僕たちが厩舎へと着くと、ほとんどの準備が終わっていた。

 そして、従者の人数が減っている。

 メイドさんが五人、親衛隊が二人、近衛が四人になっていた。


 「クオオォォー」


 ペスがこちらへと向かってくると、頬ずりをしてきた。

 この子、本当に可愛いなぁ。でも、ジーナさんの嫉妬の目が痛い……。


 「おはようございます。今日は、よろしくお願いします」


 引きつった笑顔で淡々と挨拶をするジーナさんが怖い。


 「おはようございます。今日は、お世話になります」


 彼女は再び笑顔を向けてくれるのだが、やっぱり怖い。


 すると、目を引く人たちがいるのでそちらを見ると、シャル、ケイト、リネットさんの三人だった。

 三人とも、髪が艶やかで、風にサラサラとなびいて綺麗なのだ。

 他の人たちも、三人に注目している。

 特に女性陣は驚きを隠せないでいた。

 僕は、シャンプーとリンスの効果に、感心してしまう。




 その後、飛竜部隊が整列し、その脇にはパートナーである飛竜兵が立つ。

 それぞれのワイバーンは革と布でできた鞍を背負い、腹側には大きなリュックタイプの革袋が着けられていた。 

 僕がペスのそばに行くと、ジーナさんが鞍に乗るのを手伝ってくれる。

 ペスは伏せているのに、思ったよりも高くて怖い。


 僕の後ろには、ミリヤさんが乗った。

 彼女は、僕に身体を密着させてくるので、少し恥ずかしい。

 他のワイバーンたちを見ると、オルガさんとヨン君とケイトで一組、シャルとアンさんで一組、レイリアとイーリスさんで一組になっている。そして、シリウスはメイドさんの一人と同乗していた。


 「フーカ様、旅の御無事をお祈りしていますわ」


 「ありがとうございます。リネットさんには、お世話になりっぱなしで、とても申し訳ないです」


 「いいえ、最後に素敵なプレゼントをしてくれましたわ」


 そう言うと、彼女は髪に指を通してサラサラとさせてみせる。


 「早く商品化して下さい。楽しみにしていますわ」


 「はい、頑張ります」


 彼女はにっこり笑うとペスから離れる。


 「婿殿むこどの、イーリスを任せましたぞ」


 「はい、任されました」


 ヴィクターさんは、僕の返事に満足そうな顔をした。

 その横では、ルシンダさんが頭を下げていたので、僕も頭を下げる。


 「フーカ様、ミリヤ様、離陸しますのでしっかりと鞍につかまって下さい」


 ジーナさんが声を掛けてきた。


 「はい、お願いします」


 「『風をもって、我らが身を包み、風をもって、我らが身を護れ』。では、行きます」

 

 僕たちの周りが光りだして包み込まれていく。

 そして、ペスが駆け出して、城から飛び立つ。 

 下を見ると、ワイバーンを光が包み込み、駆け出しては、飛び立っていく光景が繰り返されていた。

 そのそばでは、こちらに向かって大きく手を振るリネットさんたちがいる。

 僕は彼女たちに手を振り返す。




 ペスがぐんぐんと高度を上げていくと、城が小さくなり離れていく。

 そして、アルセを過ぎると、畑が広がり、川が見えてくる。

 右側には山脈が、左側には大森林が見え、向かっているユナハの方角にも、山脈が見えていた。

 飛行機と違って、三六〇度のパノラマの景色が目に飛び込んでくるので、興奮が抑えられない。

 僕がキョロキョロとしていると、後ろからクスと、笑い声が聞こえる。


 「フーカ様、少しは落ち着かないと、ユナハに着く前にくたびれてしまいますよ」


 ミリヤさんが後ろにいるのを忘れていた。

 恥ずかしい……。


 ふと、僕はあることを思い出した。


 「ジーナさん、さっき、風をもって何とかって言ってたけど、あれは何ですか?」


 「風魔法の詠唱です。風魔法で私たちの周りに空間を作っているんです。ですから、寒くも息苦しくもないでしょう」


 言われてみれば、こんな高度なのに何ともないし、速度もかなり出ているのに風も感じない。

 魔法って凄い。


 「あれ? ケイトは詠唱なんてしていないし、僕も詠唱を教わった事がないんだけど、属性によって詠唱したりするの?」


 「違います。ケイト様は宮廷魔導士ですから、無詠唱でも魔法のイメージができるんですよ。私みたいに、言葉にしないと魔法のイメージができない人は、詠唱することでイメージを固めてから使うんです」


 ジーナさんは、少し驚いた様子で教えてくれた。


 「ケイトって、凄いのに、性格で損をしてるんだね」


 「ブフッ」


 後ろでミリヤさんが吹き出した。


 それにしても、目に飛び込む景色が、異世界だと実感させられるものばかりで興味が尽きない。


 「左側の大森林って、相当でかいね。まだ続いてるよ」


 「あの大森林のすべてが、エルフ領プレスディア王朝ですよ」


 ミリヤさんが答えてくれる。

 あの森が全部、国なのか。あれでは何処に町や村があるのかもわからない。

 訪れる時は苦労しそうだ。


 しばらく飛行していると、結局、飽きてしまった。

 飛行機と同じようなものなんだけど、ワイバーンには、機内食や飲み物のサービスがないんだよね……。



◇◇◇◇◇



 僕たちは、アルセ城塞都市から三つ進んだルンド町の郊外に降り立つと、休息と食事をとるために市街地へと向かう。

 街中では、一〇頭のワイバーンが降りれるほどの広さがなかったからだ。

 ルンドはアルセのような華やかさやにぎわいはないが、少しのんびりとした感じのいい町だった。

 また、人々が活気にあふれているところも良かった。

 ここまでの旅で、いくつかの集落を見るたびに、治めている人の器量の重要性を、毎度のごとく痛感させられる。


 街へと繰り出した僕たちは、そこで見つけた食堂で食事を摂ると、ワイバーンたちから離れられないジーナさんたちに、お弁当を買って帰ることにした。

 もちろん、ペスたちにもお肉を買った。

 一〇頭分ともなると、荷車が必要なので、お肉屋さんに届けてもらう。

 お金? もちろん、シャルのポケットマネーです。


 そして、ジーナさんたちと合流をすると、お弁当を渡し、あとから届くペスたちの分のことも話した。


 「ありがとうございます。私たちだけではなく、ペスたちの分まで、ご馳走していただいて」


 ジーナさんたちは干し肉と水で、ペスたちは水だけの食事? だったようだ。

 彼女は、食べかけの干し肉をしまうと、受け取ったお弁当を嬉しそうに食べ始める。


 飛竜部隊が食事をしている間、僕たちは草むらで休息する。

 さっそく、いつものようにスマホで写真を撮る。

 最近は、皆も撮られることに慣れ、色々なポーズをとるようになった。

 今まで、撮りためた写真を見返すと、先日撮ったばかりのリネットさんとジーナさんの画像が出てくる。

 それは、初めての撮影で二人の顔が強張っている画像だ。

 その時に驚いたのは、ペスたちワイバーンまでが緊張していたことだった。

 僕たちは、写真を見ながら歓談し、休息を楽しむ。




 その後、飛竜部隊が食事と休息を終えると、ジーナさんの合図で、再び、首都ユナハを目指し、飛び立つ。

 しばらく飛び続けていると、右前方に大きな湖が見えてきた。

 カーディア城から見えた湖とどっちが大きいのだろう。


 「あの湖はウル湖ですよ。カーディア城のそばにあった湖がルス湖で、昔はウル湖とルス湖は一つの湖だったそうです。地形の変化で、二つに別れた事から、二つの湖をまとめて姉妹湖しまいこと呼んでいます」


 ミリヤさんの説明を頷きながら聞いていると、ウル湖の奥の山脈にカーディアのほうから厚くて黒い雲がかかりだしているのが見えた。


 「あの雲、ヤバそうだね」


 「フーカ様、ミリヤ様、あの雲が来るまでには着けるとは思いますが、念のために急ぎます」


 ジーナさんは雲を見ると、そう言って、後方に手信号で合図を送る。


 そして、ペスからズンと後方を突き上げる感覚が伝わってくる。

 加速したのだろうが、見えている景色からは、それは分からなかった。


 黒い雲が見えてからは、ジーナさんが後方に送る手信号が増えていた。

 僕たちは何もできないので、彼女に任せるしかない。

 ペスが加速してから、随分と時間がたった気がする。

 ペスの体力は大丈夫なのか? 無理をしていないだろうか? そんなことばかりが気にかかる。


 ウル湖の上空まで、黒い雲が覆ってきた。

 湖の見える方向が右前方から右側に移っているので、早いペースで進んでいるのは分かるが、何だか追われている気分で落ち着かない。


 そうこうしているうちに、アルム市が見えてきた。

 ここで黒い雲がもたらす嵐が過ぎるのを待つか、強行するかをジーナさんが決断しなければならない。

 どっちだ? 

 すると、ジーナさんは腕を伸ばし、親指を立て、片眼ずつ交互に見ている。


 「あれ、何してるの?」


 僕は、ミリヤさんに尋ねた。


 「雲までの距離を測っているのでしょう」


 「なるほど。でも、対象物の大きさが分からないと測れなかったと思うけど?」


 「そこは、経験の積み重ねだと思いますよ。彼女が、アルセとユナハをいつも行き来していて、山脈の山の山頂同士の距離感や、このあたりの地理を頭に叩きこんでいるからこそできる芸当ですね」


 「ジーナさんって、華奢きゃしゃでおっとりしている感じなのに、凄いね!」


 「ええ、それに彼女は飛竜部隊の隊長ですよ」


 「そうだった」


 彼女は、軍人や隊長といった雰囲気を全く出さないから、ついつい、そのことを忘れてしまう。

 そして、彼女の決断は……。


 「強行します! フーカ様、ミリヤ様、よろしいですか?」


 「ジーナさんを信頼しているので、すべてお任せします」


 「はい! 任されました!」


 彼女はそう言いきると、後方に手信号を送り、ペスの首を優しく叩く。

 ペスは、それに答えるように、「クオオォォー」と吠えると、後方に続くワイバーンたちも同じように吠えた。

 その様子は、こちらまで高揚させてくれる。

 ジーナさんとペスの存在が、とても心強く感じられた。


 後ろを振り向くと、今まで菱形をした編隊だったのに、三角形の編隊に変わっていた。

 その光景に航空ショーを思い出す。

 記念式典とかで、ワイバーンにスモークを持たせて曲技飛行きょくぎひこうをしてみるのもいいかもしれない。

 それにあわせて、飛竜部隊のグッズを販売すれば、売れそうだ。

 あとで、ジーナさんとシャルたちに相談してみよう。


 僕がよこしまなことを考えているうちに、アルム市を通り過ぎて畑や草原の上空を飛んでいた。

 黒い雲はどんどん迫ってくる。

 ときおり、雲の中が光ると、少し遅れて、ゴロゴロと音が聞こえていた。

 上空でワイバーンの背にまたがっている状態なので、ものすごく恐怖を感じる。


 「あっ?!」


 「フーカ様、どうしたんですか?」


 ミリヤさんが前屈みになって僕に身体を密着させて顔を出してくる。

 ジーナさんとペスもこちらを振り向いている。


 「僕の荷物はペスが運んでるんだよね?」


 「そうですが……」


 ジーナさんはそう言うと、僕の意図が分からず不思議そうな顔をする。


 「荷物の中に、電子機器……えーと、雷をひきよせやすい物があるんだよね……」


 こちらを振り向いたままのジーナさんとペスが、口をあんぐりと開けて目を丸くした。

 

 「そういうことは、早く言って下さい! というか、アルム市上空の時に何で言わないんですか! 知っていれば、強行はしませんでした!」


 気を取り戻したジーナさんは、すごい剣幕だ。 

 そして、二人……一人と一頭は、ジト目で僕を見つめてから前に向き直り、ジーナさんが後方に長めの手信号を送ると、ペスが今まで以上に加速し、身体に重力がかかった。

 ワイバーンもあんな顔をするのだということを知ることとなった。


 後方が気になるが、振り向きたくない。


 「ミリヤさん、さらに、加速したみたいだけど、シャルたちはついて来れてるの? 何故だか、後ろを振り向きたくないんだよね……」


 彼女は、後ろの様子を見てくれているのだろう。

 僕の背中に彼女の身体が、特に膨らみが片側ずつ押し付けられのが分かる。

 こんな状況下で、不謹慎だとは分かっているが、顔が熱くなってくることを抑えることは出来なかった。


 「大丈夫です。着いて来てます。……フーカ様は、振り向かないほうが賢明だと思います」 


 「何故?」


 「皆さん……メイドたちも含みますが、冷めた目線でこちらを見ています」


 「やっぱり……」


 ユナハに着いたら小言を言われることを覚悟しておこう。

 そして、ミリヤさんに邪な反応をしてしまったことは黙っておこう。




 しばらくすると、ユナハが見えてきた。

 首都と呼ぶだけあって大きい。

 アルセよりも大きかった帝都と同じか、それ以上だろう。

 城壁も高くしっかりとしていて、街並みもきちんとしている。

 それに、建物で貧富の層が感じられることがない。

 良い街なきがする。


 正面に、重厚感のある城が見えてきた。

 複数の棟が連なるマンションのような大きな建物と高さの違う四つの塔が一塊ひとかたまりとなっており、白い壁とえんじ色の屋根をしている。 

 カーディア城よりもでかいのではないか……?


 辺りは薄暗くなり、風で飛ばされてきた雨のしずくが、風の壁にポツポツとあたりだす。

 黒い雲は間近まで迫っている。

 ペスが左へ旋回を始めると、城の脇から広い草むらが姿を現す。

 そして、ペスは草むらとの直線の位置につくと、降下を始めた。

 後方のワイバーンたちも、彼女に続くように降下を始める。


 ペスは草むらに静かに降りると、城に付随する建物の前まで運んでくれた。

 後続が次々と着地をし、ペスの後ろに続くように並ぶ。


 「ペス、ジーナさん、ありがとう」


 「はい、どういたしまして」


 ジーナさんは、兵士と使用人が城から出てくるのを確認し、少し様子を見てからペスから飛び降りる。


 「では、降りましょう」


 彼女はそう言うと、僕とミリヤさんが降りるのを手伝ってくれる。


 「ミリヤさん。何故、ジーナさんは、すぐに降りなかったの?」

 

 「こちらを捕らえるような仕草をみせたり、襲ってくるようなら、すぐに飛び立つつもりだったのでしょう」


 ミリヤさんの回答に、僕は顔を引くつかせる。


 「そ、そんな物騒な……」


 「私たちとのやり取りは文面だけですから、実際に来てみたら、手のひらを返されるという危険性もはらんでいるのです」


 「複雑な心境だ……」


 「そうですね。信頼はしていても、信じるかは別物ですからね」


 兵士と使用人が、荷車にワイバーンから外した鞍と荷物を積んでいく。

 そして、鞍を外されたワイバーンたちを、ジーナさんたちが厩舎へと連れて行った。

 途中、こちらを振り向くペスに僕が手を振ると、彼女は「クゥーン」と鳴いていた。

 ちょっと寂しい……。




 その後、兵士の案内で、建物の中に入り、奥まで続く廊下を歩いていると、後ろから二つの影が走ってくる。


 「ちょっと、ゼェー。フーカさん! ハァー。何で、いつもいつも……ゼェー。やらかしてくれるんですか!」


 「そうです! ゼェー。フーカ様はバカなんですか! ハァー。自分の持ち物の特性くらい認識してて下さい。ゼェー。途中で思い出すなんて……。ハァー。相手が雷では、私たちでも護れないんですよ!」


 シャルとケイトが凄い形相で息を切らして小言を言ってくる。

 そんなに息を切らしてまでして、小言を言いに来なくてもいいと思う……。


 「いやー、ごめん。日本だと、雷が鳴っていても安全に移動できるから……忘れてた……」


 僕は頭を掻きながら弁解をした。


 「それと、私たちを置いて、ハァー。先に行かないで下さい」


 シャルがキッと睨んでくる。


 「えっ? ミリヤさんも一緒だし、兵士さんが案内を始めたから?」


 「何で、疑問形なんですか!」


 シャルは腰を折ってしまった。

 彼女は、少し間を開けてから体勢を直すと、今度は兵士をキッと睨む。


 「あなた、何故、フーカさんとミリヤだけを先に連れていったのか、説明しなさい」


 兵士は直立不動になる。


 「領主様から、フーカ様を直ぐに連れてくるようにと、命令を受けております」


 兵士の言葉に、シャル、ミリヤさん、ケイトが眉をひそめる。

 これは絶対に何かある! 嫌な予感しかしない……。


 イーリスさんを先頭に皆が追いついた。

 何故だか、皆の顔には疲労感が現れている。

 そして、全員が合流した僕たちは、まとまって領主のところへと向かうことにした。

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