第二章 味気ない世界
第6話 街を探索
アンナちゃんに街の案内を頼み二人で街を歩いている。
まずは洋服屋へ。
着替えの普段着は新品だとオーダーメイドで高く、時間もかかるので中古を買った。
中古でも染み抜きされ着なくなったら売り、汚れを取り、擦り切れたら生地を縫い合わせ、作り直してリサイクルをしているそうだ。
さすがに下着は新品で、過去に転移者がひろめたトランクスを購入した。
俺は買い物の際は迷わないので、アンナちゃんをそれほど待たせなかったと思う。
(さっさと買って、後で後悔するタイプです。同じ色の物ばかり買ったりとか)
大聖堂の鐘が鳴り、時刻はまだ12時。
アンナちゃんに色々、聞いてみた。(ま、10歳で分かる範囲だけど)
1日2食が主流で、昼はお腹は空くので屋台などで間食程度に食べるらしい。
生活魔法が使えない人も多く、火を起こす場合は火打石で時間をかけて点ける。
それが中々面倒なので自炊している家庭よりも、外食がほとんどだそうだ。
お腹が空いたので繁華街の屋台に向かった。
串焼きのいい匂いがして
「おじさん、なんの肉?1本いくら」
「ライオンラビットの肉で300円だよ」
(【スキル・予備知識】によると、たてがみのような長い毛と短い耳が魅力的なウサギの魔獣らしい、完全にペットじゃん)
「じゃ2本おくれ」
「あいよ」
串を2本もらいお金を払い1本をアンナちゃんへ。
一口食べたが異世界定番の調味料の味がしない。
「アンナちゃん、胡椒や塩て高いの?」
「胡椒や塩?とても高いてお父さんが言ってたよ~。でも金額は分からないよ~」だって。
(戻ったらビルさんに聞いてみるか)
その後、アンナちゃんと繁華街を歩き色んな店の場所を教わった。
防具屋・武器屋・錬金術屋(ポーション等)・広場や住宅街とスラム街等。
一通り周り15時には宿屋に戻った。
「ただいま~お父さん。エリアスお兄ちゃんがね、胡椒や塩て高いのか知りたいて」
戻るなりアンナちゃんが、先にビルさんに聞いてくれた。
「そうだな今の相場では胡椒は100gで66,000円くらい、塩は砂が混じったものでその半額の33,000円だな」
そういえば地球でも古代・中世のヨーロッパでは胡椒は貴重で、同じ重さの金や銀と取引されていた、とか塩も生産は沿岸部に限られ時の権力者が塩の権利を独占し、富と利益を得てきた歴史がある、て話を聞いたことがある。
聞くと今いるのはジリヤという国で、いくつかの州に分かれているようだった。
「砂が混混ざっている?では胡椒や塩はどこから仕入れるのでしょうか」
「胡椒はジリヤ国の右上に繋がるビザン国からの仕入れが多く、塩はジリヤ国から下のリベル国からの仕入れが主流だな」
「砂が混ざっていない塩は幾らくらいするのですか」
「砂が入ってるものと比べたら1.5倍くらい高くなるかな。特に砂を噛んだ時のジャリジャリした不快感が無い分、高くなるんだ。混ざり物がない塩を使っている店は、高級でステータス にも繋がるからな。いくら美味しくなるように料理を工夫をしても、ジャリジャリした時点で食欲減退だろう」
ここから海は近いのかと聞くと、アレンの街は内陸部なので海は遠いとのこと。
今いるアレンの街はジリヤ国の右端にある。
そして隣接している他国とは大きなアスケル山脈という山脈に阻まれており、それは攻められることも、攻めることもできないくらい厳しい山脈なんだそうだ。
そのため、山脈には貴重な資源が眠っている半面、森の奥に行けば行くほどレベルの高い凶暴な大型魔獣もたくさんいるそうだ。
街に出て来なければ被害がなく、あえて刺激はしないようにしてるらしい。
そして街を追われた獣人族、鳥人族なども住んでいるとか。
そして塩はアバンス商会というところが取り仕切っており、各商会も沿岸部まで買い付けに行くよりアバンス商会でまとめて仕入れたほうが手間がなく、価格も統一されているとのこと。
もしかしたらこれは商売のチャンス!
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