第5話 宿屋
まずは今夜の宿探しからだ。
道を歩きながら上の看板を見て歩いている。
読書や算術が出来ない人が多いのか、看板にはマークと文字が書いてある。
宿屋もお客が発ったばかりの時間帯なのか呼び込みも居ない。
しばらく歩いていると、袖を誰かに引っ張られた。
後ろを見ると9~11歳くらいの女の子がいた。
「ねえ、ねえ。宿屋を探しているの」
「そうだけど、お嬢ちゃんは?」
「うちも宿屋を、家族でやってるの。でも建物が古いから…、奇麗に掃除しても食事は美味しくても、他のお店にお客が行っちゃうんだって。それに最低単価があるから、建物が古いからといってそんなに安くできないんだって」
「部屋は空いてるの」
「うん、5部屋あるけど、1部屋しかお客さんがいないの」
「一泊食事付きだといくら」
「食事は朝晩付いて3,000円だよ」
「部屋が奇麗で食事が美味しいなら、お願いしようかな」
(客が少なければ絡まれる確率が減り、煩わしくなくて良いし)
「わ~、ほんとう。ありがとう。お兄ちゃんこっちだよ~」
と女の子に手を繋がれ歩いて行く。(まるで、『逃がさない』と言うように)
「ここだよ」
見上げると確かに古い。
というより奇麗に掃除されて味があり老舗の宿屋て感じだ。
建物の看板には『なごみ亭』の名前がある。
でも料金が同じなら新しい宿屋に行くだろう。
『わびさび』を分かるのは日本人くらいだものな。
「おとうさん、お客さんだよ~」
女の子が宿屋のドアを開け大きい声で言った。
中から細マッチョの男性と、ちょっと小奇麗な女性が出てきた。
「いらっしゃい。アンナ、お客さんにちゃんと料金の説明はできたのかい?」
「ちゃんとできたよ。食事付きで泊まってくれるって」
【スキル・鑑定】簡略化発動
名前:ビル
種族:人族
年齢:27歳
性別:男
職業:調理人
レベル:15
名前:サリー
種族:人族
年齢:26歳
性別:女
職業:接客スタッフ
レベル:10
(お~、鑑定:簡略化は見やすくていい)
「俺はこの宿屋の主人でこの子の親のビルだ。一人旅かい、大変だね。
親御さんはどうしたんだい?」
「何歳に見えるんですか?」
「そうだね14~5歳かな」
(えっ!)
周りを見渡すとお客の身だしなみを確認するための、壁掛けの金属板を磨いた鏡があった。
見てみると黒髪・黒い瞳、東洋系顔の自分が写っていた。
日本人は若く見えるていうからな。
だからみんな子供に接するような言い方をしてたんだなと、改めてわかった。
「やだな~こう見えても17歳なんですよ」
「えっ!若く見えるね。それに言葉使いも丁寧だから良いところの生まれなのかな」
「いえ、そんなことはありません。両親が他界したので、一旗揚げようと田舎から出てきたんです。俺はエリアスといいます」
(脳内と口に出る話し方は違うんですよ~!都合の悪いことはスルーしますから)
「そうかい、この街は仕事はあるから頑張るんだぞ」
と、簡単な自己紹介をし雑談を交え、話を聞くと女の子はアンナちゃんで10歳。
ビルさんがお父さんで、奥さんはサリーさん。
親の残した宿屋をビルさんが継いだそうだ。
「では3泊4日でお願いします」
「ありがとう、前払いで9,000円だよ」
サリーさんに1万円を渡しおつりをもらった。
夕食は16~18時。朝食は6~8時の間であればいつでもいいそうだ。
鍵をもらい2階の部屋に。
中は奇麗に掃除されベット・テーブル・椅子・小さいタンスがある。
タンスを見て着替えや下着もないことに気づいた。
洋服屋の場所を教えてもらい着替えと下着を買わないと。
下に降り買物をしたいので観光案内をしてくれる人はいないかと聞くと、アンナちゃんが「あたしができる~!」と立候補した。
サリーさんが心配するが「住んでいる人が知っている範囲で良いので」
と、説明しアンナちゃんとお出かけをした。
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金額表示に関して。
売買の際は貨幣金額を描くと分かりづらいので、スキルを使ったという事で『円』表示にしています。
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